研究課題/領域番号 |
03454368
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 美子 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20219108)
|
研究分担者 |
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00029935)
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90159129)
中村 信之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90198226)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1992年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 神経成長因子 / NGF / 脊髄 / 脊髄損傷 / 神経再生 / NGF合成促進 |
研究概要 |
神経成長因子(NGF)は神経細胞の分化や神経突起の発芽、伸展の促進、神経機能維持に必須の生体内蛋白性因子である。当初、末梢神経の知覚神経、交感神経にのみ作用すると考えられていたが、この数年の間に脳でも合成され機能していること、これまでNGFに非応答性と考えられていた種々の神経細胞が、損傷を受けると膜上にNGF受容体を発現し、NGFに応答するようになることが明らかになった。脊髄損傷後、NGFに応答性をもつに至った脊髄内神経細胞の周囲の多量のNGFを供給すれば、軸索の発芽、伸展が促進され、脊髄修復に向かうのではないかと期待される。本研究の目的は、カテコーラミンなどの低分子化合物を生体内投与することによって脊髄内のNGF合成を高め、合成誘導されたNGFによって脊髄修復を機能的かつ迅速に進行させるための基礎技術を確立することである。昨年度はラット発生過程における脊髄内NGF量の変動を観察し、NGFは胎生期の脊髄にすでに存在し,生後7日頃にやや高値を示すものの生後10週までほぼ一定値を保っていることを明らかにした。またラット脊髄を横断切断し、脊髄損傷に伴う脊髄内NGF量の変動を観察した結果、断端の頭部側、尾部側において切断後6-8日後に顕著なNGF量の上昇が認められることを明らかにした。本年度は、RT-PCR(reverse transcription-polyme-rase chain raction)法によるNGFmRNA量測定法を確立し、脊髄損傷後、断端両側で顕著なNGF合成の上昇が生じることを明らかにした。また生後10週令の脊髄損傷ラットにホモカテコールを腹腔内投与し、脊髄内のNGF合成に及ぼす影響を検討したところ、断端両側で認められるNGF合成の上昇がさらに促進されること、しかし末梢組識のNGF量には変動が見られないことを明らかにした。 以上の結果から、NGFが脊髄損傷の修復過程に生理的役割を担っている可能性、また低分子NGF合成促進化合物が修復促進物質として機能し得る可能性を示すことができた。
|