研究課題/領域番号 |
03454373
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小山 省三 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 教授 (00115346)
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研究分担者 |
山口 芳裕 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 助手 (10210379)
佐伯 由香 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 講師 (70211927)
芝本 利重 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 助教授 (90178921)
沢野 文俊 信州大学, 医学部・第二生理, 助手 (90226077)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ショック / エンドトキシン / アナフィラキシー / 交感神経 / 圧受容器反射 / インターロイキン / 血小板活性因子 / 腫瘍壊死因子 / 血圧 / 血管抵抗 / PAF / TNF / アナフィラキシ- / 低血圧 / 循環ショツク / 交感神経活動 |
研究概要 |
最近の免疫学の進歩によって、神経組織や内分泌組織から分泌されるペプチドが免疫系のサイトカインを変化させること、さらに免疫系の各細胞(NK細胞、T細胞、マクロファージ、好塩基球、肥満細胞)から分泌されるサイトカインが神経系に作用して外界からの感染などに対する複雑な生体防御作用を巧妙に調節していることが示されてきている。 循環ショックは生体防御系が破壊され、生命の維持に対して重大な危険を伴うものである。そのような循環ショック状態の病態解析の1方法として、循環ショック状態での循環系を統御している自律神経系(交感神経)の経時的変化をサイトカインであるIL-1ならびにTNFで再現できるか否かを本研究で検討した。しかしながら、IL-1ならびにTNFの単独投与ではウサギ、猫、犬などの実験動物において、我々が示してきているエンドトキシンやアナフィラキシーショック時に起こる低血圧反応や自律神経反応は出現せず、むしろ投与後に血圧は低下傾向を示し交感神経活動も投与後30分以上して次第に上昇した。この一連の研究からは、断定することは出来ないにしても、サイトカインであるIL-1ならびにTNFは循環ショック(細菌性ショックならびにアナフィラキシーショック)で生体を死に至らしめる一義的なメディエーターではなく、異物や細菌などが生体に侵入した際に起こる生と死の経時的反応のうちでより生に近い側での防御反応であり、自律神経系の反応もより生に近い側に向かっての反応として作動するようにサイトカイン類は自律神経系に対して作用していると推察される。 このような結果を要約すると、PAFに関してはエンドトキシンやアナフィラキシーショックを誘発する一義的な誘発物質でないことが確証され、TNF,IL-1は犬、猫、ウサギでの検討ではエンドトキシンやアナフィラキシーショック反応のような致死的な循環虚脱が出現しない。しかしながら、ショック時の早期反応を防止するためにサイトカイン類のモノクロナール抗体の作製が必要になることも考えられる。IL静脈内投与では、昇圧反応と共に腎交感神経も増加、さらに降圧反応と共に腎交感神経が減少した例もあり、生体にエンドトキシンを投与した際に出現する血圧-交感神経反応と類似した反応様式を示すがエンドトキシンの病因論の一義的なメディエーターであると本研究経過においては判定するには至っていない。
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