研究課題/領域番号 |
03454374
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
畑埜 義雄 和歌山県立医科大学, 教授 (70115913)
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研究分担者 |
中村 久美 京都大学, 医学部, 助教授 (30198204)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1991年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 脳血管 / 炭酸ガス / 脳血流 / ハロセン / イソフルレン / セボフルレン / ペントバルビタ-ル |
研究概要 |
脳血流には脳の神経活動に似合った脳血流を維持する代謝性調節機構が働いている。その主な調節因子は炭酸ガスであり、脳組織の代謝産物としての炭酸ガスの産生量の増減により血管拡張或いは収縮を生じ、血流が調節される。麻酔薬は一般に脳代謝を抑制するが必ずしも脳代謝と脳血流の間に一定の相関はない。本研究は、イヌ摘出脳血管を用い、低炭酸惹起脳血管収縮に対する麻酔作用を検討し、麻酔薬の脳血流作用の機構を解明する事である。 実験にはイヌの脳動脈と腸間膜動脈のリング状標本を用い、その等尺性張力変化を記録した。低炭酸はンゲル液に通気炭酸ガス濃度を5.0%から2.5%にすることによって行った。腸間膜動脈は低炭酸では殆ど収縮反応を示さなかったが、脳動脈は強く収縮し、その程度は中大脳>脳底動脈であり、臓器或いは部位特異性が認められた。脳動脈における低炭酸惹起収縮は細胞外液のCa^<2+>除去により完全に抑制され、細胞外Ca^<2+>依存性であることが示された。内皮除去血管標本において、低炭酸惹起収縮はこの収縮は影響を受けず、内皮由来拡張あるいは収縮因子は関与しないことが示された。静止張力下における低炭酸収縮に対し、ハロセン0.5,1.0MACは強く抑制したが、ペントバルビタール10^<-4>,3x10^<-4>Mは有意の影響を及ぼさなかった。低炭酸惹起収縮と同程度の収縮(KCI15mM)に対し、ペントバルビタール(10^<-4>-10^<-3>M)は強く抑制したが、ハロセン1.0MACは有意な影響を及ぼさなかった。揮発性麻酔薬で比較すると、低炭酸収縮に対する抑制は、ハロセン>イソフルレン>セボフルレンであった。以上の結果から、脳血管は麻酔薬による代謝抑制の結果生じる低炭酸に対し強い収縮性を示すが、麻酔中の脳血流変化にはこの代謝性脳血管収縮に対する抑制が寄与していることが示唆された。
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