研究課題/領域番号 |
03454379
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
立川 茂樹 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (20128739)
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研究分担者 |
藤森 貢 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60046919)
行岡 秀和 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (80117986)
西川 精宣 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20145791)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1993年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1992年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 肺循環 / 低酸素性肺血管収縮 / 混合静脈血 / 肺循環動態 / 交差循環モデル / 低酸素性肺血管収縮(HPV) |
研究概要 |
本研究は、混合静脈血の影響を直接評価できるように交叉循環肺灌流モデルで実験をおこなってきた。研究過程において、プロスタサイクリンのほか、種々の因子が肺血管の反応性に影響を生じることがわかった。本年度は、昨年度にひき続いて内皮由来血管拡張因子(EDRF)の肺血管反応性とHPVに及ぼす影響について検討を行なった。EDRF阻害物質であるニトロ-L-アルギニンを投与してHPVを調べたところ、イブプロフェン(Cyclooxygenase阻害物質)の前処置で生じたHPVは、ニトロ-L-アルギニンの追加投与で、さらに増強した。しかし、イブプロフェンを前処置せずにニトロ-L-アルギニンだけを前処置してもHPVは起こらなかった。すなわち、イヌ肺を使用したこの実験系ではプロスタサイクリンの影響の方が強いことがわかった。 また、人工肺を用いて灌流肺へ送る血液の性状を変化させて実験をおこなった。人工肺では、酸素分圧を高い値に調節することは容易であったが、酸素分圧を低くする(脱酸素化する)ことには限界があり、実験条件の設定が難しいことがわかった。実験データの分析は未だ十分に行なっていないが、吸入酸素濃度の低下による肺血管収縮反応に比べて、混合静脈血酸素分圧の低下による肺血管収縮への影響は、小さいと考えられた。一方、混合静脈血の炭酸ガス分圧の変化やpHの変化のほうが、HPVに対する影響は大きいと考えられた。また、EDRFやプロスタサイクリンの影響をブロックした条件でも検討を行なっているが、現在のところ十分なデータが得られていない。 本研究を進めてゆく上で、生体内に存在するケミカルメディエータが肺血管緊張や収縮反応に大きな影響をもち、HPVに対しても影響することを確認できたことは、ひじょうに有意義であった。
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