研究課題/領域番号 |
03454387
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
守殿 貞夫 神戸大学, 医学部, 教授 (30030935)
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研究分担者 |
後藤 章暢 神戸大学, 医学部, 非常勤講師
小川 隆義 神戸大学, 医学部, 非常勤講師 (70160760)
松本 修 神戸大学, 医学部, 非常勤講師 (80165878)
荒川 創一 神戸大学, 医学部, 助教授 (70159490)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 抗胚細胞腫瘍抗体 / 精巣腫瘍 / モノクローナル抗体 / モノクロ-ナル抗体 / パラフィンブロック |
研究概要 |
ヒト精巣seminomaの診断用パラフィンブロックを免疫原とすることにより、胚細胞および胚細胞腫瘍に特異的なモノクローナル抗体5G9を得た。本抗体は胎児および成人精巣においてspermatogenesisの過程においてstage specificに存在する物質を認識している。本研究は、この抗体の抗原解析とその臨床応用の可能性の検討で、得られた結果を以下に示した。 1.5G9の生化学的検討 Western blot法による抗原分子量の測定の結果、本抗体は分子量29KD、Ig Mに属する蛋白であった。 2.正常組織に対する5G9の免疫組織学的検討 精巣のgerm cellおよびprimordial germ cellに陽性であった。しかしspermatocyte、spermatid、spermatozoa、leydig cellおよびsertoli cellは陰性であった。 3.悪性腫瘍組織に対する5G9の免疫組織学的検討 Typical seminoma、Spermatocytic seminoma、Embryonal carcinomaおよびChoriocarcinomaには全例陽性であったが、Embryonal carcinomaおよびChoriocarcinomaにおける発現は前二者に比べより強かった。Yolk sac tumor、Teratoma、Malignant lymphomaおよび他の泌尿器科系悪性腫瘍はすべて陰性であった。またヒト精巣germ cell lineのITO-IIも陽性であった。 4.男性不妊患者精巣に対する5G9の臨床応用の検討 閉塞性無精子症で80%、乏精子症で79%の陽性率であった。乏精子症で挙児を得た2例はいずれも陽性であったが、染色性では他と差は認めなかった。特発性無精子症で79%が陰性であった。 5G9は正常精巣では精祖細胞に証明される。精祖細胞が精細管基底膜に近接して存在することより、基底膜周辺の状態を知るうえで有用と考えられる。また5G9を用いた免疫組織学的検討は、無精子症および乏精子症それぞれの残存造精機能の程度を評価するための有用な方法となる可能性が示唆された。
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