研究課題/領域番号 |
03454395
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 洋一 京都大学, 医学部, 助教授 (50115911)
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研究分担者 |
馬岡 陽 京都大学, 医学部, 助手 (80223593)
成本 勝彦 京都大学, 医学部, 助手 (70228097)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | マウス / 子宮内膜 / 胚受容能 / 着床モデル / 子宮上皮 / マトリックス / 接着能獲得 / 着床過程 |
研究概要 |
妊娠にいたる過程の中で、とりわけ着床の機構は不明の点が多い。本研究では、着床の成立を左右する子宮内膜と胚との相互作用がその様な要件によって構成されているのかを明らかにするために、マウス胚・マウス子宮を用いた胚移植系ならびに当研究室で開発したin vitro着床モデルを用いて、胚・子宮上皮の接着がどの様に発現するかを検討した。また、マウス胚を各種の発生段階に達した時点でin vivoより回収し、あらかじめ交配したのち偽妊娠状態に入った雌より各種の偽妊娠日令のものを選び、子宮腔内あるいは子宮内膜内に胚移植を行った。子宮内膜内移植を行った場合、胚の日令にかかわらず着床が成立し、Day1の1細胞期の胚を移植した場合でも生児が得られ、子宮内膜内環境が他の組織における間質と異なり極めて胚発生にとって好適な部位であることが判明し、同時に通常の着床の過程を省略しても着床は成立することが明らかとなった。妊娠マウス又は偽妊娠マウスより回収した種々の日令の子宮内膜と、すでに接着能を獲得している胞胚との相互作用を、接着能の獲得、あるいは発現が子宮内膜に見られる場合どの様な様式で観察できるかを検討したところ、胚が雌の卵管内に存在した場合に子宮内膜上皮に胚に対する接着能の誘導が観察された。しかし、この子宮上皮に誘導される接着能は、胚が4日令に達していることが必要であり、またその後胚が除去されてしまうと、子宮上皮はその接着能を失うことが明らかとなった。この様に遂行された研究の中から以下2点が明らかとなった。まず第1点は、子宮内膜の間質は他の組織にはみられない胚の生育を助ける能力があること。即ち、子宮内膜間質細胞が胚発生に重要な役割を荷っていること。第2点は、胚自身がもたらす何等かの因子の作用で、胚がこれから着床しようとする子宮上皮にあらかじめ何等かの変化をもたらすこと。これらの2つの点は、従来知られていなかった新知見である。
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