研究課題/領域番号 |
03454431
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
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研究分担者 |
天野 伊知郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (20212566)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
中西 淳 徳島大学, 歯学部, 助手 (80237320)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 顎下腺 / イソプロテレノール / ムチン分泌 / アドレナリンβ-受容体 / GTP結合蛋白質 / Gi蛋白質のりん酸化 / ADP-リボシル化 / アデニル酸シクラーゼ / GTP結合蛋白時 / ラット耳下腺 / アミラーゼ分泌の超増感 / アドレナリンβ‐受容体 / Gi蛋白質 / Gs蛋白質 / Protein Kinase A / 唾液腺 / アミラ-ゼ分泌 / Supersensitivity / Desensitization |
研究概要 |
本研究は細胞膜受容体を介する情報伝達機構において調節的役割を果しているとして重要視されているGTP結合蛋白質の動態を細胞応答との関連で追究する目的で、ラット唾液腺を用いて、このGTP結合蛋白質の動態をアドレナリンβ-受容体(β-受容体)を介する分泌刺激に対する細胞応答との連関で追究したものである。 ラット顎下腺組織を10μMイソプロテレノール(IPR)で短時間処理すると、この組織のIPRに対する反応性が低下した。即ち、顎下腺β-受容体はIPRの前処理によってその数は減少し、アドレナリンβ-作動薬に対する親和性も低下した。そして、顎下腺細胞膜に存在するGTP結合蛋白質とくにアデニル酸シクラーゼに対して抑制性に作用するGiとGTPとの結合能は上昇した。このGiの機能の亢進は顎下腺アデニル酸シクラーゼ活性の低下によって裏付けられた。しかし、アデニル酸シクラーゼに対して促進性に作用するGsとGTPの結合能はIPRとの前処理によって変動しなかった。百日咳毒素によるGiのADP-リボシル化能はIPRの前処理によって増強された。しかし、この増強はGiをc-AMP依存性蛋白質りん酸化酵素でりん酸化すると認められなかった。また、蛋白質脱りん酸化酵素を阻害するオカダ酸で前処理した顎下腺組織においてはIPRの前処理によるムチン分泌のdesensitizationは認められず、Giの機能の亢進も認められなかった。さらに、顎下腺細胞膜をアルカリホスファターゼで処理すると、Giの百日咳毒素によるADP-リボシル化能は脱りん酸化の程度に応じて上昇した。一方、分泌顆粒膜にもボツリヌス毒素(A型)によって特異的にADP-リボシル化される低分子量のGTP結合蛋白質が存在しており、分泌顆粒の構造変化に関与していることから開口分泌における役割が示唆された。 したがって、本研究においてGTP結合蛋白質とくにGi蛋白質のりん酸化の調節がβ-受容体・アデニル酸シクラーゼ系において、細胞応答の制御に極めて重要な役割を果していることを明らかにすることが出来た。
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