研究課題/領域番号 |
03454435
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
太田 稔 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70048255)
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研究分担者 |
永井 雅純 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (00217960)
客本 斉子 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (90118274)
黒川 理樹 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70170107)
根本 孝幸 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90164665)
佐藤 詔子 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (00048399)
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部・歯科放射線学講座, 助手 (10164667)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | EGF / EGFレセプター / 顎下腺 / c-erbB2 / オンコジン産物 / オートクリン増殖 / 腺癌細胞 / 顎下腺細胞株 / チロシンリン酸化 / ヒト顎下腺 / ヒト顎下腺細胞株 / 上皮成長因子 / 上皮成長因子レセプタ- |
研究概要 |
HSG細胞はEGF様分子を分泌し、これをオートクリン増殖因子として自律的に増殖している。本課題ではオートクリン増殖とその制御機構を解明することを目的とし研究を行なった。HSG細胞は外部から加えたEGFに対し結合能を持つことから、以前よりEGFレセプター(EGFR)の存在は予想されていた。しかし、HSG細胞のオートクリン増殖因子である46KのEGF様分子のHSG細胞における実際の作用機構に関しては不明であった。そこで、はじめにHSG細胞におけるEGFRとそのファミリーであるc-erbB2タンパクの発現を検討したところ、これら両分子のタンパクならびにmRNAの発現を認めた。次にHSG細胞の大量培養上清より生理活性を有するEGF様分子を精製し、これを培養液中に加えリガンド依存性の自己リン酸化を指標にEGF様分子に対する特異的レセプターを検索した。この結果、EGF様分子はEGFRに結合し、チロシンリン酸化、すなわち、細胞増殖シグナル伝達を惹起させることが明らかとなった。一方、これまでにグルココルチコイドやレチノイン酸(RA)などがHSG細胞のオートクリン増殖を制御することが明らかとなっている。そこで、RAによるオートクリン増殖の制御に関し検討し、RAがEGFRの合成をmRNAならびにタンパクレベルで促進させることを認めた。このRAによるEGFRの転写制御はレチノイン酸レセプター(RAR)を介することが示唆された。実際、HSG細胞にはRAR αとγが発現しており、これらRARは同じくHSG細胞に発現するRXRとヘテロダイマーを形成しレスポンスエレメントと結合した。分化誘導剤のdB-cAMPはEGFRとc-Fosの発現を減少させ、細胞のG_2/M期を遅延させることによりオートクリン増殖を抑制した。 かくして、HSG細胞でEGF様分子-EGFRによる増殖シグナルはリン酸化情報伝達系により核内へ運ばれるが、さらに核内レセプターファミリーによるクロストークにより複雑に制御されていることが示唆された。
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