研究概要 |
1歳6ヵ月児歯科健診を受診し3歳6ヵ月まで追跡調査された小児228名の中から,本研究では12歳時(54名)、13歳時(40名)及び14歳時(32名)に再び口腔内診査を受けた小児について、各診査時の各種歯科疾患の罹患状況並びに2年間の齲蝕増量(DMFT増量)を調査した。これらの値と同一被検者の3歳時の各種歯科疾患の罹患状況、齲蝕活動性(Cariostat値)及び1歳6ヵ月から3歳6ヵ月までの2年間の齲蝕増量(deft増量)との間の相関性について統計学的に検討した。 研究結果: 1.3歳時のCariostat値と12歳、13歳及び14歳時のDMFT値との間には、それぞれr=0.511、r=0.720、r=0.633で統計学的高度に有意な相関関係が認められた(P<0.001)。 2.3歳時のdeft値と12歳、13歳及び14歳時のDMFT値との間には、それぞれr=0.423、r=0.526、r=0.438で統計学的有意な相関関係が認められた。(P<0.01,P<0.001,P<0.05)。 3.3歳時のdeft値と12歳から14歳までのDMFT増量との間には有意相関は認められなかった。 4.1歳6ヵ月から3歳6ヵ月までのdeft増量と12歳、13歳及び14歳時のDMFT値との間には、それぞれr=0.395、r=0.523、r=0.412で統計学的有意な相関関係が認められた(P<0.01,P<0.001,P<0.05)。 5.乳歯列における正常咬合、不正咬合ともに、それらの内1/3が永久歯列においてその咬合に変化を示した。 6.乳歯列における上顎前突並びに過蓋咬合は、永久歯列においても同様な咬合状態を示す傾向があった。 7.3歳時の歯肉炎罹患者率は非常に低く、12歳、13歳及び14歳時のそれは著しく高かった。
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