研究概要 |
教育分野におけるコンピュータ教育支援システム(CAI)の発達は著しいが,歯科教育の分野においてはその開発は遅れている.我々は,歯科矯正学の実習内容を経時的かつ立体的に理解するために,文字,絵,音などを同時に取り扱うことのできる統合型の情報伝達ツールであるハイパーカードにより,学生矯正実習用プログラムをマッキントッシュにて作成し,学生教育に有用であることを確認した. (方法) 昨年度Macintosh IICi(平成3年度設備備品費で購入)を用いて作成したスタックに以下の項目を追加して学生教育で効果を確認した. 1.Quick Timeを用いて歯牙移動様式,歯牙移動時の組織反応,Quick Cephから得られた患者の顎外力の効果を動画として作成した. 2.これらの動画を昨年度完成したハイパートークを用いたデータベースにスクリプトによりリンクして,カード上で上映を可能にした. 3.このプログラムにより学生に対話形式のCAIを作成し,学生教育に応用し,教育効果の判定を行った. (結果) Quick Timeを用いた動画により実習の細部にわたり理解が容易で,反復して学習が可能であった.それぞれのカードがリンクされているために,自由にどのカードにも移動することが可能であった.ボタンの作成により,コンピューターについての専門的な知識がなくとも容易に,この教育スタックウェアを使用できる. 以上のことより,今回我々が開発したスタックは,ユーザーインターフェースが良好で,どのカードにも自由に移動することができ,学生の教育効果が上がることが明らかにされた.
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