研究課題/領域番号 |
03454486
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
竹井 哲司 日本大学, 歯学部, 教授 (80059477)
|
研究分担者 |
柴田 博 法政大学, 文学部, 教授 (60016699)
堤 博文 日本大学, 歯学部, 助手 (30188594)
高橋 登世子 日本大学, 歯学部, 助手 (50120499)
向山 レイ 日本大学, 歯学部, 講師 (40059902)
小室 歳信 日本大学, 歯学部, 助教授 (50139200)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
キーワード | 歯科法医学 / 個人識別 / 歯科的所見 / 正準相関分析 / ファジィ推論 |
研究概要 |
歯科的所見は、多様性に富んでいることから、個人識別には特に有効な資料である。しかしながら、歯科に関するカルテやX線写真は最も重要な資料ではあっても個人識別に使う場合は、それらが複数の医療機関にあったり、時間的には不連続な場合もあり必ずしも満足できるものではないことがある。そこで、資料に含まれる曖昧な情報の意味を分析し個人識別に際しての判断基準として取り込む必要がある。その方法には、確率論的な分析が従来から行われてきたが、意味論的な分析はなされていなかった。 本年度は上記の問題点を解決するために、300名のカルテおよびそれらの1年後のX線写真(オルソパントモグラム)における28歯の所見を異なった方法で分類し、正準相関分析を応用して資料間の所見を比較し、後者の所見から1年前の歯科的所見を推測できるか否かについて確率論的な方法で分析検討を試み、ファジィ推論によるメンバ-シップ関数作成の資料を探索した。正準相関分析の結果、正準変量の負荷量は口腔内所見ならびにX線所見の両者とも高い値を示すところもあり、部位によっては加齢的変化はなく、現時点の歯科的所見から過去の所見を推測するのは容易であると思われた。 しかしながら、正準相関分析の結果を身元確認における現在所見と手持ちの資料との間の時間的ずれに対応させる場合、同一人の資料ならば一致度合いの高い正準変量の負荷量が多くなるはずであるが、これ以上の向上はできなかった。そこでファジィ推論を応用すればこれらを解消し精度の向上がはかられよう。現在行っている作業は、これらの問題点について、ファジィ推論上のメンバ-シップ関数を決定し識別精度が向上するような専門家の知識の取り込みに関するものである。
|