研究課題/領域番号 |
03454488
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀 了平 京都大学, 医学部, 教授 (40001036)
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研究分担者 |
何 艶玲 京都大学, 医学部, 助手 (70233640)
高野 幹久 京都大学, 医学部, 講師 (20211336)
谷川原 祐介 京都大学, 医学部, 講師 (30179832)
安原 眞人 京都大学, 医学部, 助教授 (00127151)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 腎排泄 / Gene transfection / P-glycoprotein / 摘出腎潅流 / Population pharmacokinetics / 投与設計 / 有機カチオン輸送系 / 経細胞輸送 / gene transfection / population pharmacokinetics / 薬物投与設計 / 有機アニオン輸送系 / 刷子縁膜 / モ-メント解析 |
研究概要 |
生体に投与された薬物およびその代謝物の多くは腎から尿中排泄されることから、腎臓は薬物の生体内動態を考察する上で欠かすことのできない重要な臓器である。本研究では、腎尿細管上皮細胞(膜)系および腎潅流系を用い、アニオン性薬物、カチオン性薬物、両性イオン型薬物、および非イオン型薬物の膜輸送形式、駆動力について系統的な研究を進め、薬物輸送キャリアーの構造・機能相関等を明確にし、尿細管上皮細胞における薬物輸送の制御機構の解明を図った。また、膜レベル、細胞レベルから、臓器、全身レベルへと得られた知見を統合することによって、臨床における患者個別の合理的薬物療法を可能とする新しい投与設計システムの確立を図り、以下の成果を得た。 1)有機アニオン、パラアミノ馬尿酸(PAH)の腎潅流実験より、PAH経上皮細胞輸送の律速段階が側底膜の輸送過程であることを明かにした。 2)有機カチオン、プロカインアミドは腎上皮細胞において経細胞的に分泌されることを示し、またアフリカツメガエル卵母細胞を用いることにより有機カチオン輸送系がラット腎皮質の1.4-2.4KbのmRNAによってコードされることを明らかにした。 3)培養腎上細胞に多剤耐性のメカニズムを担うP-糖蛋白の遺伝子を導入することにより、非イオン性薬物ジゴキシンの輸送が選択的に亢進することを見いだし、従来詳細が不明であった新たな薬物輸送系の特性を明らかにした。 4)腎尿細管上皮細胞(膜)系および腎潅流系で得られた知見を、臨床データ解析に応用し、病態、併用薬などの変動因子と薬物血中濃度との関係をPopulation Pharmacokineticsの手法により解析した。患者の腎機能などの変動因子の影響は、臨床検査値を中心とする各種患者情報を用いることによりモデル化が可能であることを示し、さらにベイジアン推定理論を用いた投与設計システムを確立した。
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