研究課題/領域番号 |
03454511
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | (財)癌研究会 (1992-1993) 東京大学 (1991) |
研究代表者 |
尾形 悦郎 財団法人癌研究曾, 癌研究所, 部長 (70013761)
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研究分担者 |
岡崎 具樹 東京大学保健センター, 講師 (60203973)
山下 直秀 東京大学, 医学部(分), 講師 (90174680)
五十嵐 徹也 東京大学, 医学部(分), 講師 (00134601)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | カルシウム / 転写因子 / 副甲状腺ホルモン(PTH) / カルシウムレセプター / PTH遺伝子 / カルシウムレスポンシブエレメント / 細胞外Ca^<2+> / カルシウムレセプタ- / カルシトニン分泌細胞 |
研究概要 |
副甲状腺ホルモン(PTH)は、生体の細胞外カルシウム(Ca)濃度の恒常性のために重要な役割を担っており、そのために外液CaによるPTH分泌の抑制が厳格に作動している。この抑制を持続的に維持するために、外液CaによるPTH遺伝子の転写抑制が必要となる。この遺伝子発現調節機構に、本遺伝子上流にある短いDNAエレメント(nCaRE)と、種々の組織に普遍的に存在してnCaREと結合する核内転写因子(nCaREB)が関わる。この転写因子nCaREBのクローニングを試み、refl(還元因子)という核蛋白を単離した。このreflは、DNA複製における修復酵素及び、種々の転写因子のDNA結合活性を増強する作用を持つことが知られていたが、【.encircled1.】reflは、nCaREの配列特異的に結合するDNA結合蛋白で、【.encircled2.】細胞外液Ca濃度の上昇に伴い、reflのmRNA及び蛋白は、共にその量が増加する。その程度は外液CaによるnCaREBのnCaRE結合活性の増加の程度と同様である。【.encircled3.】アンチセンスrefl cDNAを導入してrefl蛋白量を著減させた細胞では、nCaREを介する外液Caによる転写抑制が消失していた。これらの結果から細胞外液Caによる、PTH遺伝子を初めとするnCaREを有する遺伝子転写抑制に核蛋白reflが直接関与する、すなわちreflがnCaREBであることが証明された。さらにreflがnCaREBとして100%機能するためには少なくとももう一つの核蛋白とreflとの蛋白‐蛋白interactionが必要であること、細胞外Ca濃度の変動の情報が、細胞内・核内に伝搬されるための第1関門が、最近同定されたCaセンサー蛋白である可能性があることを確認した。nCaREを持つ遺伝子の中には、細胞外液Caばかりでなく浸透圧上昇や血流によるshear stressによってもその分泌、生合成が抑制されるものがあり、reflのパートナーを同定することにより、外液Ca及び浸透圧による転写調節機構にさらに迫ることが期待される。
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