研究課題/領域番号 |
03454514
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
葛谷 英嗣 京都大学, 医学部, 助教授 (20115835)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 糖輸送担体 / シンスリンシグナル伝達 / translocation / 3T3Lー1 adipocyte / MAPキナ-ゼ / digitoninーpermealized cell / MLー9 / Wー7 |
研究概要 |
インスリンによるglucose transporter(Glut 4)のtranslocationに関与する蛋白キナ-ゼを3T3ーL1 adipocyteを用いて検討した。インスリンはGlut 4のtranslocationを促進し、細胞へのブドウ糖取り込みを増加させるが、これとほぼ平行してmyelin basic protein(MBP)に対するキナ-ゼ活性を増加させた。一方、MLー9(キナ-ゼ阻害剤)及びWー7(カルモジュリン阻害剤)はともにインスリンによるGlut 4のtranslocationを抑制した。MLー9はインスリン受容体による内因性基質のチロシンリン酸化、MAPキナ-ゼ(42及び44kDa)のインスリンによる活性化を阻害しなかったが、in vitroでのMAPキナ-ゼ活性、in vivoでインスリンによるS6キナ-ゼの活性化を阻害した。Wー7はインスリン受容体による内因性基質のチロシンリン酸化を阻害し、さらにMAPキナ-ゼのインスリンによる活性化を阻害した。MLー9及びWー7によるこれらの阻害効果の用量反応曲線は、MLー9あるいはWー7によるGlut 4のtranslocationの抑制の用量反応曲線とほぼ一致した。このようにインスリンのGlut 4へのシグナル伝達にはMAPキナ-ゼが関与していることが示唆された。 digitoninでpermealizeした3T3ーLl adipocyte(DP cell)ではインスリンによるGlut 4のtranslocation,glucose uptakeの促進効果は消失していた。しかしvanadateとokadaic acidの両者の存在下では、インスリンは細胞内膜分画のGlut 4を増加させた(intact cellの場合と逆)。このようにGlut 4へのシグナル伝達にはチロシンのみならずセリン/スレオニンのリン酸化が必要であることが示唆された。さらに細胞からWGA分画を精製し、ATPを加えてチロシンリン酸化を行ったものをDP cellに加えるとインスリン無添加でGlut 4の細胞膜分画へのtranslocationが増加した。
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