研究課題/領域番号 |
03454527
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
溝口 秀昭 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70049021)
|
研究分担者 |
赤星 雅 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40150974)
星野 茂 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30159131)
泉二 登志子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00101808)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
|
キーワード | 骨髄異形成症候群 / 癌抑制遺伝子 / 変異 / 染色体異常 |
研究概要 |
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome、MDS)は、前白血病状態と考えられておりその病態の解明は急務である。近年種々の癌の発症に際して癌抑制遺伝子の異常が認められ、その発症や進展に関与していると考えられている。本研究はMDSにおける癌抑制遺伝子の変異の有無を調べ、白血病に移行する過程で癌抑制遺伝子の変異がいかに進展するかを解析し、病態との関係を明らかにすることを目的とする。 MDS57症例において、染色体分析を行い40症例において染色体異常を認めた。p53遺伝子の局在する17pの異常とRB遺伝子の局在する13qの異常が各1例で認められた。次にMDS16例、MDSから移行したovert leukemia12例、CML慢性期17例、CML急性転化7例、ALL9例、AML6例、ATL3例、悪性リンパ腫6例、骨髄腫17例の骨髄または末梢血の細胞からDNAを抽出しPCR-SSCP法を用いて解析を行った。p53遺伝子のエクソン5、6、7、8を検索した結果、造血器腫瘍93例中10例で泳動度の異常が検出された。その内訳はMDS16例中3例、overt leukemia12例中3例CML急性転化7例中1例、ALL9例中1例、ATL3例中1例、骨髄腫17例中1例で、CML慢性期、AML、悪性リンパ腫では泳動度に変化はなかった。泳動度の異常を認めた症例で塩基配列を解析し、7例でmissense mutation、1例でnonsense mutation、1例で1塩基の欠失を認めたが、他の1例ではアミノ酸変化はなかった。正常の対立遺伝子の欠失を伴っていたのは9例中7例だった。変異を認めた症例はいずれも各疾患の中で病期の進んだ症例であった。MDSでは他の造血器腫瘍に比べて高頻度に変異が認められ、経時的に解析可能があった3例中2例で、病期の早い段階では変異は認められず、進行後に変異を認めた。他の1例ではMDSの段階でp53遺伝子の変異があり、短期間で白血病化していた。MDSの一部ではp53遺伝子の異常が病期の進展、白血病化に関与している可能性が示唆された。
|