研究課題/領域番号 |
03454559
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
七田 芳則 京都大学, 理学部, 助教授 (60127090)
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研究分担者 |
深田 吉孝 東京大学, 教養学部, 助教授 (80165258)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1993年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 視細胞 / ロドプシン / 錐体光レセプター / G蛋白質 / 低温分光法 / 遺伝子発現 / ニワトリ / オオヤモリ / 錐体光受容蛋白質 / レーザー閃光分解法 / 情報伝達 / フ-リェ変換赤外スペクトル / cDNAクロ-ニング |
研究概要 |
ヒトを含めた多くの脊椎動物の網膜には、薄明視の司る桿体と昼間視を司る錐体が存在する。本研究では、「桿体と錐体の光応答の違いを光レセプターのレベルでどこまで説明できるか」に焦点を絞って研究を行い、以下のことを明らかにした。 1.遺伝子クローニングの技術を用いて、ニワトリの4種類の錐体光レセプター、及び、オオヤモリの2種類の光レセプターの一次構造を決定した。その結果を基に、光レセプターの吸収極大波長を決定しているアミノ酸残基を推定した。また、光レセプターの分子系統樹を作製して光セレプターの分子進化について考察した結果、先祖型の光レセプターはまず4種類の錐体光レセプターに分岐し、その後、そのうちの一つのグループから桿体の光レセプター(ロドプシン)が分岐したことが推定された。すなわち、動物はまず色識別能を獲得し、その後薄明視を獲得したことがわかった。 2.ニワトリの網膜からアイオドプシンを分離・精製し、その光反応過程を分光学的に検討した。その結果、励起状態および第一光産物(フォト中間体)を同定するとともに、光反応過程に現れる全ての中間体を同定した。また、G蛋白質と相互作用して活性化させる中間体を分光学的手法と蛋白化学的手法を組み合わせて同定した。さらに、ニワトリ緑およびニワトリ青の光反応過程をアイオドプシン及びロドプシンと比較することにより、錐体光レセプターと桿体光レセプターとの性質の違いを検討した。その結果、錐体光レセプターは桿体光レセプターと同様、非常に高い光感受性および分子吸光係数をもつが、錐体光レセプターは桿体光レセプターに比べて非常に速く再生し、また、活性中間体であるメタII中間体の生成・崩壊の速度が非常に速いことがわかった。これらの結果は、錐体と桿体の光応答の違いとよい相関のあることがわかった。
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