研究課題/領域番号 |
03454561
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
黒沢 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
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研究分担者 |
内藤 守啓 藤田保健衛生大学短期大学, 助手 (80132257)
岡村 和彦 藤田保健衛生大学短期大学, 助手 (60132255)
松井 俊和 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50181681)
橋本 敬一郎 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (70192268)
黒沢 良和 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10109259)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | MHC / 補体 / 免疫系 / ホメオボックス / 海綿 / 抗体 / 円口類 / 補体第二経路 / 進化 |
研究概要 |
免疫応答系を構成する重要なタンパク質、抗体、T細胞レセプター、MHCの起源と進化について以下の知見を得た。(1)従来より抗体を有する最も下等な生物と考えられていた円口類の“抗体"は、哺乳類の免疫グロブリンとは異なる分子で、補体成分C3であった。(2)T細胞レセプターとMHC分子の存在のメルクマールである急性同種移植片拒絶反応を示さない軟骨魚(サメ)においてもMHCクラスI分子をコードする遺伝子が存在することを示した。(3)硬骨魚のMHCクラスI分子をコードする遺伝子が数10種以上存在することを示した。以上の結果に基づき代表者らは免疫系の起源と進化に関し次のように考えている。免疫系における「生体防御機構」と「自己ー非自己識別機構」という二面性は、生物進化上異なる起源を有する。最も単純な生体防御機構は、マクロファージ等の貧食作用によって行われ、その効率を高めることが免疫系の発達と見なせる。補体第二継路のオプソニン作用が最初起こり、円口類で単離した補体C3はその中心的役割を果たす。MHC-T細胞レセプターは、自己ー非自己識別の中心的役割を果たす分子だが、それは多細胞動物全てに見られるアロ識別を担う分子にその原型が見いだされるであろう。 転写因子の中のDNA統合能を有するホメオドメイン遺伝子の系統発生的研究に関しては、次の知見を得た。(1)最下等多細胞動物である海綿より多くのホメオ遺伝子を単離し、その構造が高等動物で見いだされる“クラス"としての性質を獲得していることを示した。(2)ヒドラからも4種類のホメオ遺伝子を単離した。(3)C.elegansから新しく1種類のホメオ遺伝子を単離した。(4)ヒトから1種類の新しいホメオ遺伝子を同定した。今後、結合するDNAの配列ーその生物機能という点でのそれぞれのクラスの成立過程を解明する。
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