研究課題/領域番号 |
03455012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阪上 孝 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70047166)
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研究分担者 |
大東 祥孝 京都大学, 留学生センター, 教授 (90169053)
木崎 喜代治 京都大学, 経済学部, 教授 (80083509)
光永 雅明 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (20229743)
大浦 康介 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (60185197)
富永 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30145213)
服部 春彦 京都大学, 文学部, 教授 (20022345)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 知識 / 統治 / 近代社会 / 中間集団 / 家族 / 国民国家 / フランス革命 / 統計学 / 人権宣言 / 人口問題 / 救貧法 / 世論 / 知識人 / 技術教育 / アカデミ- / 国民的エリ-ト / ジェントルマン |
研究概要 |
近代社会の成立過程のなかで《知ること》と《統治すること》の緊密な関係が生まれ、新しい型の知識が登場する。たとえば18世紀終わりから19世紀初頭にかけて生まれた、国土や人口、産業など国力を構成する要素を数量的に把握する統計学や、疾病を個人の身体ではなく社会環境のなかで捉え、その治療以上に予防を目的とする衛生学が代表的な例である。そうした知識は既成の理論的な知識と並んで認知されるにはいたらないが、しかし日常生活のなかで習俗や習慣と呼ばれるものともことなるのであり、この両者のあいだにあって、科学的な知識に依拠しながら習俗・習慣に働きかけ、調整し制御する役割を果たす。啓蒙の時代は理論的な知識の変革をつうじて近代的な科学の基礎を準備するとともに、社会が国民国家の姿に変貌してゆくさいに、実践的に社会に介入して統治を実現する知識をも生み出した。この知識はフランス革命期にはシエ-スたちにより《社会技術》と呼ばれ、その活用が模索されることになる。逆にいうなら、近代的な国民社会とは、そうした科学的知識とも習慣ともことなる、いわば中間の水準における知識によって組織された社会であった。本研究は、国民国家として組織される全体社会、もっとも基本的な集団である家族、そして両者のあいだで媒介の役割を果たすさまざまな中間集団という、3つの領域において、社会とそれを構成する人間にかんするできるかぎり正確な知識がどのように要求され、作用して、近代社会の成立に寄与したのかを、18-19世紀のヨーロッパ、アメリカ、さらに日本での具体的な事例をとおして明らかにした。
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