配分額 *注記 |
36,300千円 (直接経費: 36,300千円)
1993年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1991年度: 30,100千円 (直接経費: 30,100千円)
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研究概要 |
本研究で最も主要な設備品として超高感度超低バックグランド希ガス用質量分析計及び関連装置を制作し基礎実験を行った.その装置開発の学術的意義と基本性能に関連した成果は国際地質学会議(京都)で発表した.本装置はトリプルコレクターによる三つのアルゴン同位体同時分析が可能で,既存のシングルコレクター質量分析計より同位体比分析精度が5倍以上向上した.それによって,若い火山岩の年代測定に格段の威力を発揮することが期待された.しかし,最終年度の研究中途において質量分析計のイオン銃の突発的なトラブルが発生し実際の試料分析が不能となった.現在,イオン銃の改良と制作をアユミ工業に依頼している.その点では装置の試作が期限内に完成できなかったことになるが基本性能は把握できたことから本研究は成功と言える.世界初のトリプルコレクターを内蔵した希ガス用質量分析計と言える. 一方,現有装置でアルゴン同位体定量分析の基礎的研究を天然の岩石及び鉱物試料を使って進め,さらにそれを地質学に応用してきた。その成果は多数の論文として公表されている.また,レーザープローブによるアルゴン抽出基礎実験も現有装置を使って進めた。それによって微少量及び微小部分からのアルゴンの抽出とその同位体比及び定量分析技術も確立した。現在数マイクログラムの試料量からのアルゴン検出が可能であるとともに,高精度の温度制御(500-1500℃までを相対精度1℃)の基で段階加熱によって数百ミクロンの単結晶からのアルゴン抽出を可能にした.これによって,世界で最も精度の良いレーザープローブによる単結晶Ar-Ar年代測定及び母岩の熱史の研究が可能になった.
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