研究課題/領域番号 |
03506001
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研究種目 |
試験研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
平井 克哉 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021702)
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研究分担者 |
金城 俊夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (40045084)
柵木 利昭 岐阜大学, 農学部, 助教授 (70014115)
大橋 秀法 岐阜大学, 農学部, 教授 (40001531)
鈴木 正敏 岐阜大学, 農学部, 教授 (70021714)
鈴木 義孝 岐阜大学, 農学部, 教授 (70021699)
工藤 忠明 岐阜大学, 農学部, 助教授 (00002080)
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10144007)
千葉 敏郎 岐阜大学, 農学部, 教授 (90001528)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
40,400千円 (直接経費: 40,400千円)
1993年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1992年度: 15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
1991年度: 19,000千円 (直接経費: 19,000千円)
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キーワード | 野生動物 / 野生動物と環境汚染 / 野生動物の病態 / 中部山岳地帯の野生動物 / 野生動物の生態 / 野生動物の環境汚染 / 中部山岳地帯の野生物動 |
研究概要 |
1.野生動物の病態に関する研究 1)各種野生動物の各臓器と糞便から人畜共通病原体サルモネラ、エルシニア、リステリア、Q熱リケッチア、クラミジア、インフルエンザウイルスなど多数を分離・同定した。2)各種野生動物血清中に日本脳炎ウイルス、ハンタウイルス、LCMウイルス、ジステンパーウイルス、イヌ肝炎ウイルス、クラミジア、Q熱リケッチア、レプトスピラ、トキソプラズマなどに対する抗体が検出された。3)各種野生動物特にクマ、タヌキ、テン、イタチ、ヌ-トリアなどに、各種寄生虫や原虫(糸状虫、回虫、鞭虫、鈎虫、裂頭条虫、血色食道虫、ヘパトゾーン原虫など)の寄生状況を明らかにした。4)環境汚染物質(PCB、DDE、BHなど)の残留は陸生動物で比較的少ないが、鳥類特に魚食性および猛禽類で高く、食物連鎖による生物濃縮が進んでいることが明らかになった。5)ニホンザル、タヌキ、キツネなどに肺の炭粉沈着が高頻度に認められ、生息域の環境汚染の指標になることおよび大気の汚染が山間部まで拡がっていることが判明した。 2.野生動物の生息動態に関する研究 ツキノワグマは春季にブナの豊凶に対してエサ(食物)の種類を変化させることで安定した食物を得ている。クマの行動圏は雌よりも雄のほうが広く、生息地は無植生地およびブナ林が好まれる。雌と雄の性成熟年齢は2〜3歳および4歳で、雌の平均排卵数は1.89、平均着床数は2.00、平均連れ子頭数は1.86と算定される。これらの結果は、クマが食性や繁殖に関わる行動を年によって柔軟に変化させ、変動する環境に対してうまく適応させていることが判明した。ニホンジカ雌は1.5歳で性成熟に達する。この知見は今後の保護管理政策の指針となる。 3.傷病野生動物の治療に関する研究 中型鳥類の上腕骨骨折修復における骨髄内骨セメントとプレート固定併用法を開発し、またタヌキやキツネなどの顎骨折治療法を開発し、骨修復と飛翔能力を証明した。また、ウ、ツミ、フクロウ、ゴイサギ、タヌキ、キツネなどの外傷治療例から傷病動物(鳥類)は低体温と脱水状態および体力の回復後に本格的な外科治療を施すべきであると思われる。
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