研究概要 |
ダイヤモンドの高速気相合成を目的に,1つの陰極と3つの陽極を独立に配置したダイヤモンド合成装置を試作し,ダイヤモンドの合成を行った。そして,ダイヤモンドの合成面積の拡大および合成されたダイヤモンドの機械的・結晶学的評価を行った。 アルゴン,水素およびメタンのプラズマジェットを発生させ,電極位置と,合成速度,合成面積,結晶学的性質との関係を調べ,大面積への高速合成に最適な合成条件を検討した。 機械的性質については,ダイヤモンド簿板をYAGレーザーにより平坦化および切断加工して切削工具を作製し,Al-12%Si合金の切削実験を行い,耐摩耗性について検討した。その結果,結晶間の空隙部においては切削距離の増加にともなって欠けが生じるが,結晶の連続した部分では欠けは認められず良好な耐摩耗性を示すことがわかった。また,スカイフ研磨法により作製した切削工具は天然単結晶ダイヤモンドに比べてシャープな切れ刃は得られないが,アルミニウム合金の切削実験の結果,単結晶ダイヤモンド切削バイトに比ベて耐摩耗性に優れ,加工状態が安定していることがわかった。 また,気相合成ダイヤモンド薄板を粉砕して得られた気相合成粉を用いて砥石を作製し,ジルコニアと窒化けい素の研削切断実験を行い,研削工具としての機械的特性を評価した。
|