配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1991年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
本研究は,平成2年度文部省科学研究費補助金(一般C)の研究課題「NC工作機械用サーボスピンドルの2相PLL制御に関する研究」の実用化を試みたものである.本研究の応用としては,例えばNC同期式歯車研削盤を挙げることができるが,現在実用となっているものは,工具最高回転速度の制限から加工能率が極端に低い.そこで,本研究では最高回転速度を従来の5倍という高い値に設定し,研究代表者の提案になる2相型PLLにより工具軸とワーク軸の2つの軸の間で超高速の同期回転を行うシステムを開発した. 本研究は平成3年度から3年間にわたっておこなわれたものであり,この3年間の研究成果は次のとおりである.最初に,工具とワークのスピンドル本体を試作するとともに,これらを同期回転させるために,2相型PLLを応用したコントローラの設計・製作を行った.次に,この試験システムを用い,2相型PLLが低速域から超高速域まで極めて優れた動特性を有していることを示すとともに,極端に高い同期精度にもかかわらず,工具軸については12,000rpm,ワーク軸については3,000rpmの高速回転が可能であることを示した.また,システムの動的挙動のコンピュータシミュレーションを行い,高速回転にもかかわらず,極めて高精度な同期回転が保たれることを理論的にも明らかとした.最後に,本同期システムを搭載した簡易な歯車研削盤を試作して歯車研削の実験を行った.実験の結果,開発した超高速同期システムは十分な精度で同期回転し,従来の同期システムでは実現できなかった極めて小さなピッチ誤差の歯車が加工された.しかし,今回は超高速NC同期システムの開発を目的とし,歯車研削盤本体は手作りの簡易なものであったため,機械的剛性が低く重研削における挙動が実験できなかったので,次期に機械的剛性の高い研削盤本体を試作し重研削の実験を行いたい.
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