配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1993年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1991年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
本研究を開始するにあたり目標としていた性能を上回るLAMIPOLを開発できた.当初は短波長帯だけに限定した高性能化を目指した.しかし,本研究遂行の結果,短波長から長波長にわたる全波長域で高性能化が達成できた上に,機械的にも極めて高強度な素子にすることができた.この結果,広い分野で実用可能なLAMIPOLが実現できた.以下に主な成果を具体的に示す. 1.吸収層用の新素材発見 吸収層用素材として,半導体(ゲルマニウムあるいはシリコン)に金属(ステンレスあるいはアルミニウム)を添加した新しい光学材料を見いだした.この薄膜を用いれば短波長から長波長域にわたり高性能な偏光子にできることが分かった.また,ステンレスのみで吸収層を構成した場合の特性を試算した結果,1μm以上の波長で高い消光比を有することが分かった.これは,はんだ付けや高出力レーザ用にも耐えられる長波長用偏光子が可能であることを意味し,これまで以上に広い範囲の応用を期待できることが分かった. 2.機械的な高強度化の達成 吸収層と透明層との付着力は実用上及び作製加工上重要な性質である.従来の純粋ゲルマニウム膜は付着力が小さく,加工時の破損が問題になっていた.本研究で開発した金属添加膜は,従来より一桁近く付着力が大きく,機械的強度の問題も解決できた. 3.実証実験 ゲルマニウムにステンレス10%を添加した組成の吸収層を有する偏光子を試作した.吸収層6nm,透明石英層0.8μmを交互に計100層積層した.これを光路長10〜30μmに加工した.従来の偏光子では特性の劣化が大きかった波長0.98μmにおいて,消光比50dB以上,挿入損失0.6dBの高特性を得た.さらに0.78から1.55μmの波長域にわたり予想通りの高性能を示していることも確認できた.
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