研究課題/領域番号 |
03555115
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
後藤 巌 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10115107)
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研究分担者 |
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80240406)
小池 俊雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30178173)
福島 祐介 (福嶋 祐介) 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40111661)
早川 典生 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70143815)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 雪ダム / 水資源開発 / 雪崩 / 融雪 / 流出解析 / 密度フロント / 気象観測 / リモートセンシング |
研究概要 |
本研究は雪ダムの実現性を追求したものであり、その成果は将来の雪ダム構想の具体化に資するものである。まず、雪ダム計画に必須の集雪技術と融雪制御技術について、特に集雪技術の内で有望視されるガセックスについて現地実験により、その効果を明らかにした。しかしながら、集雪融雪制御技術のいずれにおいても、その効果を定量的に評価することは困難であり、大規模な現地実験の積み上げが望まれること、また実際には現地の状況を詳細に調査した上で複数の技術を注意深い管理の下で適用されるべきこと、が指摘された。さらに、本研究では集雪量と融雪流出量算定のために、二つのモデルが提案された。集雪量算定については、従来きわめて困難とされてきた粉雪雪崩の運動に関する数値シュミレーション技術を、流体力学の手法を用いて展開し、実際の雪崩を良く再現することを示した。本モデルは地形情報を入力すれば雪崩走路を出力する三次元モデルであり、既往の雪崩走路に関する情報を必要としないのが特長である。本モデルを用いれば雪崩による集雪区間と堆積区間、また堆積量も計算することが出来ることを示した。融雪流出量算定については、新潟県新井市の中野川流域を例に取り、人工雪崩による集雪量を仮定した場合に期待される開発推量の計算を行った。開発水量の計算に当たっては、現象が渓谷内部で起こること、また小さいスケールの現象までも再現する必要があること、の二点を考慮して、熱収支型の融雪計算モデルと分布型流出モデルを開発した。その結果、特別な融雪抑制装置を行わなくとも8月まである程度の利用水量を開発できることを示し、雪ダム構想が極めて現実性が高いことを明らかにした。技術的側面の事前評価および経済性評価は現時点では困難であり、具体的な地点を選定した上での雪ダム事業計画実施を持たなければならないが、本研究の成果によれば、雪ダム開発は充分に現実性が高い計画であることが示された。
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