研究概要 |
粉末をコンテナ内に少量ずつ充填しては押出しを繰り返すという,いわゆる逐次押出し法を考案し,長尺の棒や管などの素形材の製造を試みた。そして,この成形法の可能性と問題点,成形上の特徴など基礎的事項を把握するために以下の検討を行った。モデル材料として主にアルミニウム粉末を使用し,バインダーや潤滑剤などの添加物を混合することなく粉末のみの押出しを行った。 1.紛末の冷間逐次押出しによる中実丸棒および円管の成形冷間押出しによる丸棒や管の成形では特に問題はなく,相対密度98〜99%,焼結後の引張強さが溶製材の80〜90%の製品が得られた。押出し条件に関しては,溶製材の場合と同様に,最適ダイス角(ダイス半角:30°〜40°)が存在することがわかった。 2.粉末の熱間逐次押出し熱間押出しを行えば,冷間押出しの場合に比べて押出し荷重が低下し,また押出し材の強度が向上するので好都合であるが,ダイス面で焼付きが生じやすくなるのが問題である。 3.スラブ法による粉末押出しの解析多孔質材料の塑性基礎式を粉末材料の成形条件式として円管押出しの解析を行い,軸方向応力分布と密度分布を計算した。そして,これらに対する押出し条件の影響を考察した。 4.傾斜機能(組成)材料の製造に対する粉末逐次押出し法の適用の可能性銅粉末と鉄粉末の混合割合を半径方向に沿って徐々に変化させた円柱状圧粉体を成形し、焼結後の境界層の接合状態を調べ,傾斜機能(組成)材料の製造に対する粉末逐次押出し法の適用の可能性を検討した。
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