研究課題/領域番号 |
03555153
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅野 幹宏 東京大学, 工学部, 教授 (60011128)
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研究分担者 |
辻井 忠生 (株)鳥津製作所, 計測事業部, 副部長
堀谷 貴雄 新日本製鉄(株), 広畑製鉄所, 主任研究員
柴田 浩司 東京大学, 工学部, 助教授 (90011121)
松尾 宗次 新日本製鉄(株), 技術研究所, 主任研究員
伊藤 吾朗 東京大学, 工学部, 助手 (80158758)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
16,800千円 (直接経費: 16,800千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
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キーワード | 不純物水素 / 金属材料の破壊 / 質量分析計 / 水素脆化 / 超高真空材料試験装置 / 水素分圧 / 重水素 / 金属間化合物 / 超高真空 / 材料試験機 / 水素脆性 / 環境脆化 / 金属材料 |
研究概要 |
前年度は当該装置の設計・試作を行なったのであるが、研究費が大幅に削減されたことから、他の研究助成金などを投入して作製に踏み切ることとした。しかし経費との兼ね合いもあり、当面高温は捨てて超高真空の試験装置とすることにした。そのための設計変更なども行なったが、当初予定したものより大型のターボ分子ポンプを採用したこともあって、10^<-7>Paの超高真空引張試験装置を作製することが出来た。また材料から放出されるガス元素の分析のための質量分析計であるので、軽元素の領域を含め感度の良いものを選択した。その結果、数ppmと極微量の水素含有量の試料から破断時に水素が放出されることを世界に先駆けて明らかにすることが出来た。その後、極短時間に起こる金属材料の破断の際に放出される各種ガスの分析できるようにするため、日本真空技術(株)のガス分析用のソフトを導入・改良し、10種類までのガスを高速(10ms/チャンネル)で検出可能とした。これにより、予測されるガス以外に他の種類のガスが放出されていることを示すことが可能となった。現在までに、アルミニウム合金、無酸素銅、クロム・モリブデン銅、チタン合金(Ti-6Al-4V、Ti-15V-3Sn-3Cr-3Al)、金属間化合物(Ti-Al,Ni-Al)など測定したすべての金属材料から、破断の瞬間に水素が検出されることが明らかにされた。また重水素を用いることにより、アルミニウム合金中の水素の多くが溶解雰囲気中の水分から混入したものであることを実証した。そしてAl-Mg合金の高温脆化に材料中の微量水素が深く係わっていることを示すことに初めて成功した。このように画期的な装置であるので、東京大学より現在特許申請中である。しかし放出ガスの定量化や変形中に放出されるであろう極微量ガスの検出には、試料室内の真空度を1桁以上上げて水素分圧を低下させることが必要であるなど問題はまだ残されており、装置の性能改善に努力が必要である。
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