研究課題/領域番号 |
03555165
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
松下 和正 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80024610)
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研究分担者 |
新田 敦己 アルプス電気(株), 長岡工場
佐藤 隆士 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60226024)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 磁気ヘッド / 封着用ガラス / センダスト / フェライト / 鉛ガラス / 界面反応 / 標準生成自由エネルギー / ガラス / 磁性体 / PbO-SiO_2ガラス / 酸化還元反応 / Fe-Si-Ga磁性合金 / アモルファス合金 / 標準生成自由エネルギ- |
研究概要 |
磁気ヘッドなど多くの電磁気ディバイスは、種々の材料の複合体である。これら異種材料界面が全体の性能に大きく影響する。特に磁気ヘッドにおいてはギャップをガラスで充填封着するが、封着過程での磁性体とガラスの反応が磁気特性と深く関係する。本研究では、各種磁性材料と酸化物ガラスとの界面反応を解析した。特に、低融点ガラスとして知られているSiO_2-PbOガラスと透磁率が大きく優れた軟磁気特性を有するFe-Si-Al合金およびFe-Si-Ga合金の反応について詳しく検討した。 SiO_2-PbO系ガラス融液中にFe-Si-Al合金を浸漬すると合金中のアルミニウムが酸化されてAl^<3+>イオンとなってガラス中にとけだし、かわりに融液中のPb^<2+>イオンが還元されて金属鉛となることが明らかとなった。この界面反応を走査電子顕微鏡、EPMAによって観察した。金属鉛は、融点が低く直径、0.1mm程度の液体金属球として界面付近に分散していることが観察された。また、濃度プロファイルの測定より、生成したAl^<3+>イオンは界面層付近に蓄積されていることが観察された。Al^<3+>濃度の高い融液は粘度が高く、さらなる酸化還元反応を遅らせる一種の保護層の役割を果たしていることが明らかになった。実際にアルミニウムを含まない合金では、ガラス融液により急速に侵食された。また、融液にAl_2O_3を加えた場合、融液の粘度が上昇し、融液中のアルミニウムの化学ポテンシャルが高くなり界面における酸化還元反応が抑制されることが確認された。 アルミニウムのかわりに周期律表で一周期大きい、Gaを含んだFe-Si-Ga合金についても同様な検討を行い、ほぼ同様な結果を得た。すなわち、AlとGaの差異はほとんど認められなかった。これは、両者の原子半径がほとんど同じであることに起因していると考察した。
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