研究課題/領域番号 |
03555175
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白石 振作 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30013163)
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研究分担者 |
中山 芳樹 イハラケミカル工業株式会社, 静岡工場, 工場長
八代 盛夫 東京大学, 工学部, 講師 (30192785)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1993年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1991年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ベンゾキノン / ニトリルオキシド / 成環付加 / イソキサゾール / カテコール / ヒドロキノン / 防汚剤 / フジツボ / 防活剤 / 成環付加反応 / p-ベンゾキノン / イソキサゾリン / 水中生物防汚剤 / カテコ-ル / ニトロン |
研究概要 |
P-ベンゾキノン類とニトリルオキシドないしニトロンとの成環付加反応について検討し、付加体の合成法に関して新しい知見を得た。安定ニトリルオキシドとの付加反応において、含水エタノールが特異な溶媒効果を示し、反応を著しく加速すると共に、付加体合成上有利な反応系を形成すること、ニトロンとの付加反応で付加体の合成が可能なこととその反応ではレトロ付加が競争的に起っていることなどを見出した。 ニトリルオキシドとのC=C付加体であるイソキサゾリン誘導体の環転換反応について詳細に検討した。付加体のあるものは塩基により異性化反応が起り、さらに異性化物は無水酢酸一硫酸でジエノン-フェノール転位と類似の反応でカテコール誘導体を与えること、塩基による転位異性化が起るか否かは、付加体原料のP-ベンゾキノン類の置換基の種類、置換位置により決まることなどを明らかにした。しかし、その特異な置換基効果を統一的に解釈するには至らず、今後の課題として残されている。 付加体の塩基による異性化を経由することなく、付加体に直接無水酢酸一硫酸を作用させるとヒドロキノン誘導体を与えることを見い出した。その際、橋頭位のアルキル基が脱離する。 1:1-付加体とは別に、キノンの2つのC=C部位にニトリルオキシドの付加した1:2-付加体の合成を検討すると共にそれらの塩基との反応を検討した。1:1-付加体とは異なる反応を見出し、ベンゾイソキサゾール誘導体の生成など新しい環転換反応を見出した。 本研究で合成した付加体、異性化生成物、転位で得られるカテコール誘導体、ヒドロキノン誘導体などについて、タテジマフジツボの幼生に対する活性試験を行い、数種の化合物がかなりの活性を有することを認めた。
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