研究課題/領域番号 |
03555177
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
植野 禎夫 (上野 禎夫) (1992) 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024297)
融 健 (1991) 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
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研究分担者 |
田中 利男 帝人(株), 生物医学第1研究所, 主席研究員
新井 和孝 日産化学工業(株), 中央研究所, 部長
渡部 良彦 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70220944)
融 健 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
植野 禎夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024297)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | プロスタグランジン / 脱スタニルセレノ化反応 / 2-アリル-2-シクロアルケン-1-オン / α-ケトビニルアニオン等価体 / プナグランジン / 2-アリル-2-シクロペンテノン / 脱シリルセレノ化反応 / 脱スタニルチオ化反応 / α-ケトビニルアニオン / 2-置換α、β-不飽和カルボニル |
研究概要 |
成人病と密接に関係のある生理活性を有するプロスタグランジン(PG)、強力な制ガン作用のあるプナグランジンに着目し、安価かつ短段階のこれらの化合物の中間体の製造法の開発を目的として本研究を行い、次の結果を得た。 プロスタグランジン中間体の製造法として、3年度では2-フェニルセレノ-2-シクロペンテン(又は、シクロヘキセン)-1-オンにトリブチルスズリチウムをまずβ付加し、生じたエノラートをヨウ化アリルで捕捉し、フッ化テトラブチルアンモニウム、あるいは、種々の塩基、ルイス酸で処理するか、熱、光照射することにより脱スタニルセレノ化し、2-アリル-2-シクロアルケン-1-オンが高収率で得られるという本製造法開発上重要な基礎的実験結果を得た。この反応を、光学活性(4R)-t-ブチルジメチルシリルオキシ-2-フェニルセレノ-2-シクロペンテン-1-オンに適用し、PG加間体が得られることを明らかにした。本法は、セレノ基、スタニル基を有する、α-ケトビニルアニオン等価体を用いる点に特徴があり、現在知られている製法の中で、最も短段階高収率なPG中間体の製造法が提供できることを明らかにした。 4年度では、この製造法を、より毒性の少ないフェニルチオ基、トリアルキルシリル基を用いた反応について検討し、目的とする2-アリル-2-シクロペンテン-1-オンが良好な収率で得られることを明らかにした。また、本反応における立体化学を超伝導核磁気共鳴装置による解析およびPM3法による生成エネルギーの計算により明らかにした。 また、2-フェニルセレノ-2-シクロペンテノン、トリブチルスズリチウムと各種アルデヒドとの三成分系の反応が良好に進行することを見出し、この反応がプナグランジン類化合物の合成中間体の簡便な合成法と期待されることから、新しい抗腫瘍活性物質合成の道を拓くことが出来た。
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