研究課題/領域番号 |
03555178
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高谷 秀正 京都大学, 工学部, 教授 (40022644)
|
研究分担者 |
佐用 昇 高砂香料工業株式会社, 総合研究所, 副主任
雲林 秀徳 高砂香料工業株式会社, 総合研究所, 室長
玉尾 京子 (野崎 京子) 京都大学, 工学部, 助手 (60222197)
太田 哲男 京都大学, 工学部, 助手 (50213731)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
1992年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1991年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
|
キーワード | BINAP / 不斉水素化 / β-ブチロラクトン / ルテニウム錯体触媒 / イリジウム錯体触媒 / α-ケトエステル / シクロアルカノン / 不斉ヒドロホルミル化 / ロジウム錯体触媒 / ビスホスファイト配位子 / α,β-不飽和カルボニル化合物 / 官能基選択的水素化 / チオフェン-3-オ-ル / BINAP-Ru3核錯体 / 錯体の溶液中での挙動 |
研究概要 |
1.オレフィン類の不斉水素化における基質の展開を検討し、これまでまだほとんど報告のないアルキリデンラクトン類、アルケニルエーテル類の不斉水素化をBINAP-Ru(II)錯体を触媒に用いて行った。たとえば、α-およびγ-メチレン-γ-ブチロラクトンが、94%を越える不斉収率で水素化生成物に変換された。又、2-メチレンテトラヒドロフランや、2-メチル-4,5-ジヒドロフランが90%程度の不斉収率で水素化された。さらに本触媒系を用い、入手の比較的容易なジケテンの水素化を試みた。アミンを含む触媒もしくは、アミンで処理した触媒を用いると生物分解性ポリマーのモノマーとして有効である光学活性β-ブチロラクトンが、95%以上の選択性、90%を越える不斉収率で得られた。 2.電子豊富なイリジウムを中心金属に用い、部分的に水素化されたBINAP誘導体ならびにアミノホスフィンを組み合わせた触媒系により硫黄原子を環内にもつシクロアルカノン類の不斉水素化を最高82%eeで実現した。さらに、BINAP-Ir(I)-アミノホスフィン触媒系が、ベンゼン環が縮合したシクロアルカノン類の不斉水素化に有効であることを明らかにした。1-テトラロンや、その芳香環に置換基を有する基質が、95%程度の不斉収率で環元生成物に変換される。又、1-インダノン、ベンゾスベロン誘導も良好に水素化できる。固体のアルコール生成物は、再結晶により光学的に純粋なアルコールとして得ることが可能であり、合成的にも影響力のある反応といえる。 3.BINAP-Ru(II)錯体触媒系により、α-ケトエステル類の不斉水素化を検討し、酸を添加することにより、高い不斉収率で対応するアルコールが得られることを明らかにした。さらに、本反応を、各種生理活性化合物の合成に応用した。
|