研究課題/領域番号 |
03555182
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松村 功啓 京都大学, 工学部, 助教授 (60026309)
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研究分担者 |
木瀬 直樹 京都大学, 工学部, 助手 (90177824)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 電極酸化 / オレフィン / ハロゲン / ヨード / フェニル酢酸 / ハロゲン活性種 / 環状エナミン / 環縮小反応 |
研究概要 |
オレフィン類の酸化的活性化は高付加価値化合物の合成の見地から非常に重要である。本研究では電極酸化により生成する特異な反応性のハロゲンカチオン活性種[X^+]を利用したオレフィン類の活性化あるいは電極酸化によって合成できるエナミン型オレフィンの有効利用の研究を行い、以下の成果を得た。1.トリメチルオルトフォルメート(TMOFと略)中でのヨードの電極酸化により生成するヨードカチオン活性種[I^+]/TMOFをスチレン誘導体に作用させると一挙にフェニル酢酸誘導体が生成することは報告しているが、この反応にはTMOFが必須であり、また、塩化メチレンなどと共溶媒として使用可能であることを見いだした。2.電極酸化により環状アミンから得られる環状エナミン誘導体をβ-ハロ-α-メトキシ化し、次いで銀イオンで処理すると環縮小反応が起こることを見いだした。また、[I^+]/TMOFを環状エナミン誘導体に作用させると一挙に環縮小反応が起こることも見いだした。3.環状エナミン誘導体をβ-ハロ-α-メトキシ化、次いでα位をアリール化し、最後に銀イオンで処理することによりβ-アリール置換環状アミンが合成できることがわかった。この方法によりメセンブリン等のアルカロイドの合成も達成できた。4.電極酸化により生成する[I^+]活性種を利用してL-リジンから光学活性スラフラミン合成を試み、その鍵合成中間体である光学活性1-アセチル-2-メトキシカルボニル-5-トシルアミノピペリジンを合成できた。5.環状エナミン誘導体を経ることにより環状アミンのβ位にオキソ基を導入する一般法を見いだし、この方法をピペリジン誘導体に適用して天然物であるδ-アミノレブリン酸を合成できた。なお、光学活性ハロゲンイオンの開拓、ならびに環状エノールエーテルの環縮小反応については今後の検討課題として残った。
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