研究分担者 |
得能 敏郎 三田工業(株), 本社枝術研究所, 主任研究員
鮒子田 晃 三田工業(株), 本社枝術研究所, 所長
河野 恵宣 宮崎大学, 工学部, 教授 (10040974)
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
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研究概要 |
抽出マイクロカプセルの調製 水中の低級脂肪酸を回収する抽出性マイクロカプセルをin situ重合法により,全モノマー濃度1.85-3.55M,架橋剤比0.1-0.4および撹拌回転速度400-1200rpmの条件下で調製した。芯物質には抽剤であるトリオクチルアミンを,膜物質にはスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を使用した。 その結果,本研究で調製した抽出性マイクロカプセルにより,水相中のプロピオン酸を効果的に回収することができた.さらに抽出性マイクロカプセルの抽出容量は,液々系における場合と同等であった。抽出性マイクロカプセルによるプロピオン酸の抽出速度機構について検討した結果,膜拡散が支配的であることを明かにし,マイクロカプセル調製条件の抽出速度に及ぼす影響を定量的に検討した。 マイクロカプセルトナーの調製 マイクロカプセルトナーの単分散化及びin situ重合法と界面重合法を組み合わせによる内包液のもれ防止を目的に研究を遂行した。マイクロカプセルトナーの単分散化技術としてSPG管による製造プロセスを取り上げた。管端からのもれや微粒子発生など問題が残されてはいるが,ほぼ単分散化したマイクロカプセルトナーを調製することができた。界面重合膜として,塩化アジポイルとヘキサメチレンジアミンによるポリアミド膜及び塩化アジポイルとエチレングリコールによるポリエステル膜を使用した。これらの界面重合膜をin situ重合法によるスチレン-アクリロニトリル共重合体膜形成に引き続き行わせた。その結果,内包液のもれを防止することができた。さらにポリアミド膜を形成したマイクロカプセルトナーの帯電特性は,ポリエステル膜を形成させたものに比べ優れていることがわかった。
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