研究課題/領域番号 |
03556007
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
道家 紀志 名古屋大学, 農学部, 教授 (80023472)
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研究分担者 |
梅村 芳樹 北海道農業試験場, ばれいしょ育種研究室, 室長
川北 一人 名古屋大学, 農学部, 助手 (90186065)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
1993年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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キーワード | 植物免疫 / ジャガイモ植物 / 全身獲得抵抗性 / 生産力増進効果 / 全身免疫誘導機構 / 活性酸素生成系 / 脂質過酸化反応 / 疫病の免疫予防 / 植物免疫誘導剤 / 植物免疫検定システム / ジャガイモ実生検定 / 全身的シグナル伝達 / スーパーオキシドジスムターゼ / ペルオキシダーゼ / 植物免疫圃場試験 / 植物免疫誘導シグナル因子 / 植物免疫応答マーカー / ジャガイモ / 実生検定 / 脂質過酸化反応物 / 免疫誘導処理 / 誘導抵抗性 / 生産力増大効果 / 獲得免疫 / 病害抵抗性 / 免疫誘導剤 |
研究概要 |
植物個体の一部に非親和性病原菌の接種あるいは菌体由来の過敏感反応エリシターで処理し、植物の全身的獲得病害抵抗性を誘導する「植物免疫」現象を基盤に、ジャガイモ栽培における疫病抵抗性ならびに生産力の増大に関する基礎および応用的試験を実施し、次の研究成果を得た。 1.免疫処理として、(1)疫病真性抵抗性遺伝子をもつ品種に対して非親和性疫病菌レース(レース0)の接種、(2)いずれの品種に対しても、疫病菌菌体壁成分エリシターの塗布、0.1MCaCl_2を含む過酸化水素溶液、アラキドン酸懸濁液あるいはリノレン酸過酸化反応物懸濁液のスプレー投与が有効であった。 2.免疫処理の有効性は、特に春作暖地栽培条件の短期栽培系で見られ、一時的な植物生育の促進、病原性レースに対する疫病抵抗性の獲得、および塊茎形成促進による生産量の増大効果として現れた。 3.非親和性菌レースの感染や菌体壁成分エリシター処理による免疫処理は、植物組織および懸濁培養細胞に活性酸素生成系を即時的に活性化させるが、この活性化はCa^<++>およびプロテインキナーゼ依存であることが示唆された。さらに、フォスフォリパーゼA_2やリポキシゲナーゼの脂質過酸化反応系に関与する酵素の一時的活性化を起こし、脂質過酸化反応化合物がシグナル因子として機能していることを示唆した。 4.免疫処理により全身的に活性酸素生成系、スーパーオキシドジスムターゼおよびペルオキシダーゼが系統的に順次活性化され、その場におけるチャレンジ菌は侵入率の低下ならびに過敏感反応型組織応答により発病力を減少させ、獲得免疫現象が生じることが示された。 5.植物免疫機構のシグナル伝達系の因子を解析しそれを基礎とした免疫誘導剤開発が期待された。
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