研究課題/領域番号 |
03556018
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 東京大学 (1992) 宇都宮大学 (1991) |
研究代表者 |
酒井 秀夫 東京大学, 農学部, 助教授 (70126069)
|
研究分担者 |
及川 良一郎 及川自動車株式会社, 主任研究員
後藤 純一 高知大学, 農学部, 助教授 (90127928)
猪内 正雄 岩手大学, 農学部, 助教授 (10003782)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 枝払い作業 / デリマ / モービルタワーヤーダ / インターロック機構 / 林内移動 / 索張力 / モ-ビルタワ-ヤ-ダ / プロセッサ |
研究概要 |
林内でも自走可能なゴムクローラ式小形車両に枝払い装置を搭載した移動式枝払い機械の試作を行い、実際に枝払い性能試験を行った結果、タワーヤーダの動力を利用して枝払いを行うことができ、所期の目的が達成された。得られた主な研究成果は以下のとおりである。 (1)枝払い用切断刃に適した形状を吟味したところ、片刃であること、刃線と刃の軸との成す角度は60°と鋭角であることが衝撃力が小さいことが明らかとなった。枝を切込むのに必要なエネルギーは、スギが0.18J/mm^2、ヒノキが0.29J/mm^2と推定された。 (2)スギ27年生の供試木のうち、最も太い直径7cm×7cmの枝を払うことができた。枝払い時のメインラインに働く最大張力は、瞬間的に2.2t(水平設置時)を記録したが、φ12.5mmのメインラインを使用すれば索の安全性は十分であり、小形タワーヤーダでも馬力回生機構を有するインターロック機構を備えていれば、出力も十分に対応することができる。 (2)枝払い速度は同時にタワーヤーダの集材速度であることが確かめられ、枝払い機に材をセットする時間が、結局、従来の枝払い時間に相当する。したがって、チェーンソー枝払い時間を直接的かつ大幅に削減することができる。 (3)試作機の登坂限界角は約30度と推定され、転倒に対する安定性の限界角は傾斜方向が58度、等高線方向が60度となる。障害物の乗越し限界高は前進時が250mm、後進時が300mmとなる。また障害物を回避しながら走行することのできる限界障害物密度は2,000個/haとなる。したがって、試作機は一般的な林地および林分条件の皆伐、非皆伐作業に十分使用可能と判断され、地形が急で、経営規模の小さい民有林などでも、プロセッサ作業に代わりうる造材能率を確保することが期待される。
|