研究課題/領域番号 |
03556022
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
飯塚 尭介 東京大学, 農学部, 助教授 (30012074)
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研究分担者 |
小林 則夫 レンゴー株式会社, 福井研究所, 主任研究員
松本 雄二 東京大学, 農学部, 助手 (30183619)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | リグニン / 水溶性リグニン / 分散剤 / 土壌安定剤 / ラジカルスルホン化 / 疎水性相互作用 / 分子量分布 / 会合 / 土壌改良剤 / ラジカルスルボシ化反応 / 酸糖化リグニン / スルフォン酸基 / リグニン系高分子電解値 / 分散性 |
研究概要 |
化学工業原料として木材を総合的に利用する上で、リグニンの有効利用法の確立が不可欠である。本研究においては、リグニンから新たな機能性高分子電解質を調製し、その分散剤、土壌安定剤としての利用の可能性について検討した。 リグニン系高分子電解質の調製法としては、アルカリ-酸素処理および筆者らが以前に開発したラジカルスルフォン化処理を使用し、種々の単離リグニンを出発物質として用いた。ラジカルスルフォン化処理においては、リグニン中の遊離フェノール性水酸基をもつ構成単位の5位(フェノール性水酸基のオルソ位)に、ラジカル反応によってスルフォン酸基が導入される。その結果、主として側鎖ベンジル位にスルフォン酸基をもつ通常のリグノスルフォン酸塩に比較して、特異な性状を有する水溶性リグニンが得られることが期待される。 本研究の第一段階として、ラジカルスルフォン化処理の最適条件の確立に努めると共に、引続き第二段階として、性状の異なる各種のリグニンの本反応に対する反応性について検討した。ここで得られた興味深い結果としては、通常の化学反応に対する反応性の極めて乏しい酸リグニンが、天然リグニンよりも著しく高い反応性を示したことであり、これによってこれらのリグニンの利用の途が開けるものと期待される。第三段階としては、得られた水溶性リグニンの水溶液中における挙動を、分散質に対する吸着、リグニン分子間の凝集等の挙動を中心に検討した。最後に、これらのリグニンの土壌改良剤としての性能を、赤玉土中でのシラカンバ苗の生育と水容性リグニンの土壌への添加との関連について検討した。これについては最終的な結論を得るには至っていないが、水溶性リグニンの性状とシラカンバ苗の生育の間の密接な関連が明らかになっている。
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