研究課題/領域番号 |
03557021
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細菌学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中根 明夫 北海道大学, 医学部, 助教授 (30164239)
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研究分担者 |
佐藤 雄一郎 東レ(株), 基礎研究所, 主任研究員
小華和 柾志 北海道大学, 医学部, 助手 (90234806)
浅野 美佐子 北海道大学, 医学部, 助手 (90202598)
皆川 知紀 北海道大学, 医学部, 教授 (40001903)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | MRSA / リステリア / 黄色ブドウ球菌 / サイトカイン / IFN-γ / TNF / IL-6 / 細菌感染症 / LPS / 致死感染 / 予防 / 治療 / 抗ヒトTNFmAb / 抗マウスTNFmAb / 抗マウスIFN-γmAb / 抗CD3mAb / デキサメタゾン / Tリンパ球サブセット |
研究概要 |
リステリア菌、黄色ブドウ球菌(MRSA)の致死感染モデルを用いて、感染によって誘導されるサイトカイン・カスケードの遮断による重症細菌感染症の予防・治療法の開発を行い、以下の結果を得た。 1.リステリア菌およびMRSAの致死感染を受けたマウスは斃死前に、インターフェロン-γ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子(TNF)およびインターロイキン-6(IL-6)が、血中や感染臓器において高値を示した。 2.これらのマウスにIFN-γ、TNF、あるいはIL-6に対する単クローン抗体(mAb)を投与すると、リステリア菌感染では効果がみられなかったが、MRSA感染では明確に致死感染からの回避が認められた。抗IFN-γの投与は感染前および感染後でも効果を示し、予防および治療効果を示した。抗IFN-γmAbは大腸菌エンドトキシン・ショックモデルでもショック死からの回避に有効であった。 3.ステロイド剤(デキサメタゾン)投与により、サイトカイン・カスケード全体を低値にする方法では、リステリア感染において、致死予防効果を示した。 4.抗CD3mAb投与により、Tリンパ球からのサイトカイン・カスケードを人工的に誘導させたマウスでは、リステリア感染において、致死予防効果を示した。 以上2、3、4の項の3つの方法により、サイトカイン・カスケードを遮断あるいは修飾することで、重症細菌感染症の予防・治療を行う可能性が示唆された。特に、現在、院内感染菌として、社会問題になっているMRSA感染症では、IFN-γの特異的遮断により予防・治療が可能であることは重要で、今後、臨床応用に向けて、副作用の少ない抗IFN-γmAbの開発が急を要するものと思われる。
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