研究分担者 |
山口 公典 (株)小野測器, 研究員
浅野 太 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00231895)
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20143034)
小林 俊光 東北大学, 医学部, 助教授 (80133958)
高坂 知節 東北大学, 医学部, 教授 (80004646)
大山 健二 東北大学, 医学部, 講師 (10152266)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1993年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1991年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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研究概要 |
本研究は,我々が研究・開発した感音系難聴者の補充現象を補聴方式を実現する可搬型ディジタル補聴器を開発し,日常生活の中で臨床試験を行って,その有効性を評価することを目的としている.この補聴方式は,ディジタル信号処理を用いて入力した信号のスペクトルを感音系難聴者の狭い残存聴野に写像するものであり,感音系難聴者の語音聞き取り能力が大きく改善されることが期待されている. 1.上述の補聴方式を可搬型補聴器において実現するアルゴリズム及びソフトウェアの開発(平成3年度):本研究では,モトローラ社の小型低電力ディジタルシグナルプロセッサDSP56156を核として可搬型補聴器を制作することが提案され,このDSPに適用可能なアルゴリズム及びソフトウェアの開発を行った.この結果,上述の補聴方式を実時間で実現することのできるソフトウェアの開発に成功した. 2.可搬型補聴器の作成(平成4年度):DSP56156を核として可搬型補聴器の設計を行い,株式会社小野測器に制作を依頼した.この結果,大きさ23×87×138mm,連続使用時間4時間の可搬型補聴器が完成した.これは当初の計画を十分満足するものであり,臨床試験を行う上でも十分な性能を備えている. 3.可搬型補聴器の臨床的評価(平成5年度):東北大学医学部耳鼻咽喉科において臨床試験を行った.現在のところ,症例は数例と少ないが,有望な結果が得られている.臨床試験では,あまり語音弁別能力が改善されない例も見られるが,これは,むしろ補聴による語音弁別の限界であると考えており,今後さらに多くの症例に適用し,評価を行う必要があると考える.さらに,本補聴器を実用化するためには,現在の臨床試験の継続に加え,個々の難聴者に本補聴器を装用せしめるための検査システムの開発などを行う必要があり,今後とも研究の継続が必要である.
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