配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
1993年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
う蝕の原因菌とされるStreptococcus mutansの菌体表層線毛様構造物である分子量19万の蛋白質(PAc)は,本菌の歯面への初期付着に関与することから,う蝕ワクチン用抗原の有力な候補と考えられている.また,PAcに対するモノクローナル抗体を歯面に塗布する受身免疫法も,う蝕予防法の一方法として注目されつつある. 本研究課題は,PAcの一次構造を基に,同タンパク質抗原の抗原決定基(B細胞エピトープ)およびT細胞認識部位(T細胞エピトープ)を明らかにし,受身免疫のためのより優れた抗体を誘導できるペプチドの開発を目的とした.得られた研究成果は,以下の通りである. まず,遺伝子操作でPAc分子を7つに断片化することにより,PAc分子のアミノ酸残基番号219〜464領域が,唾液を介しての本菌の歯面への付着に強く関与し,かつ強い抗原性を有することを明らかにした. ついで,この領域全域をカバーする,互いに3残基づつオーバーラップした24種の19残基ペプチドをFmoc法にて合成し,マウスにおけるこの領域のT細胞エピトープ,B細胞エピトープの解析を行い,それらエピトープがH-2のI-A遺伝子に拘束されること,また動物種により異なること,等を明らかにした. さらに,T細胞エピトープのみ,B細胞エピトープのみ,あるいはこの両者が共存する計16種のペプチドを合成し,マウスに対する免疫原性を調べたところ,少なくとも5種のペプチドに抗PAc抗体誘導能が認められた.特にPAc(361〜379),PAc(391〜409)の両ペプチドで顕著であることから,現在のところ,受身免疫法の抗体を誘導するペプチドとして,この両ペプチドを最有力と考えている.
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