研究課題/領域番号 |
03557107
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西原 克成 東京大学, 医学部(病), 講師 (10010323)
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研究分担者 |
平山 泰彦 株式会社旭光学工業, ニューセラミックス部, 主任研究員
丹下 剛 東京大学, 医学部(病), 講師 (10107667)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1993年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1992年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ヒドロキシアパタイト(HAP) / 系統発生学 / 間葉系組織 / 人工骨chamber / 高圧焼結アパタイト / 骨髄造血巣 / 脾臓 / 細網内皮 / 微小造血環境 / 人工骨髄chamber / 骨髄造血 / ヒドロキシアパタイト / 高圧低温法 / 巨核球 / 血小板 / 人工骨髄 / ジルコニア / チタン / 肋骨骨髄腔 / 長管骨状の人工骨 / 細網内皮系 |
研究概要 |
本研究の結果、ヒドロキシアパタイト(HAP)のchamberを用いて、間葉系組織から骨髄造血巣と骨組織を誘導するという画期的な成果が得られた。これにより骨誘導能として間葉系細胞が系統発生学的組織変化を再現できるという、遺伝学的にも極めて重要な結果が明らかにされた。以下、研究経過に従って実験の結果を列記する。1.成犬の肋骨骨髄腔内に移植した1年経過時のHAPは骨膜上では変化なく残っていたが、軟骨内では著明に吸収され、一部化骨が認められ、著しい軟骨の増成が認められた。また、肋骨骨髄腔内のHAPも著明に吸収されていたが、骨髄組織には著明な変化は認められなかった。2.長管骨に類似した円筒状のHAPの人工骨を作製し、成犬の大腿骨に植入しプレートにて固定を行い、歩行させて荷重を加えた。2か月後に瀉血を行ってから摘出し、中空部の組織を透過型電子顕微鏡で観察した結果、骨髄諸細胞の形成が認められた。3.従来型の1200℃で焼結したHAPと異なり、400℃で高圧下で焼結したHAP緻密体を筋肉内に移植し、従来のものと比較を行った。その結果、高圧焼結のHAPの周囲に著明な造血巣の形成が認められた。従来のものの周囲には結合組織の被膜の形成のみが認められた。4.円筒状ならびに三角柱状の従来型の多孔体HAPとTCPの人工骨chamberを作製し、中空部にHAPの顆粒(従来型と高圧型)をヘパリン含有の移植成犬の静脈血に浸したものを填入し、成犬の背筋内に植入し、2か月後瀉血を行った後に摘出して標本を作製した。その結果、高圧型HAPを填入したものには極めてわずかに骨形成が認められた。5.従来型HAPで多孔体人工骨のchamberを作製し成犬の大腿動脈に輸入管部と輸出管部を接続し、2か月後に瀉血を行ってから摘出した。その結果2か月後にもchamberは閉塞せず、内部には造血巣は認められなかったが、細網内皮系構造を持った組織が観察された。6.系統発生学の観点から、造血巣は脾臓などcollagen chamberからヒドロキシアパタイトとcollagenからなる骨髄腔へ移住してきていることから、高圧焼結アパタイトにcollagenを複合させるべく常温で高圧焼結を行って成功した。 以上3か年の研究を通して画期的な成果すなわちHAP、TCPによる間葉系組織内における骨髄細胞と骨組織の誘導および低温高圧HAPとcollagenの複合体の焼結に成功した。
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