研究課題/領域番号 |
03558008
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 建昭 筑波大学, 数学系, 教授 (80087436)
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研究分担者 |
森継 修一 図書館情報大学, 図書館情報学部, 助手 (50220075)
鈴木 正幸 岩手大学, 工学部, 助教授 (20143365)
加古 富志雄 奈良女子大学, 理学部, 教授 (90152610)
野田 松太郎 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036402)
北本 卓也 筑波大学, 数学系, 助手 (30241780)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1993年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 近似代数 / 近似代数の応用 / 近似代数算法 / 数値数式融合計算 / 数値数式融合システム / 数式処理 / 数式処理システム / 近似多項式 / 数値数式融合算法 / ピュイズー級数展開 / 解析接続 / 有理関数近似 / 近似GCD / 近似Grobner基底 / 多項式因数分解 / 近似因数分解 |
研究概要 |
本研究では、1)国産数式処理システムGALの実用化、2)GALへの数値数式融合計算機能の付加、3)近似代数の算法開発、4)近似代数の応用の開拓、の4点を目標とした。1)に関しては、研究用としては使えるまでに整備したが、一般ユーザに供するにはまだ多くの機能が不足している。2)に関しては、NSL(Nara Standard-Lisp)の機能強化で対処した。すなわち、NSLにDynamic Loading機能を付加してLispとCとの混合計算を可能とし、またグラフィック表示も行えるようにした。3)に関しては、「多変数代数方程式のべき級数解法」や、それを利用した「代数関数の解析接続とリーマン面の決定法」など、いくつかの重要な算法を開発できた。4)に関しても、「近似GCDの有理関数近似への応用」や、それを利用した「データの平滑化算法」など、重要な応用を見い出すことができた。開発された算法はいずれも、従来の正確な算法よりもはるかに柔軟で、従来の算法の難点を克服して広い適用範囲をもち、近似代数の有用性を明白に示している。一方、本研究の過程で、近似代数を本格的に実現するには現在のシステムでは不十分なことも判明した。すなわち、近似代数では誤差項の処理、特に桁落ちによる精度低下が問題となる。 本研究で得られた知見をまとめると以下のようになろう。 1.近似代数は、算法レベルで数値計算と数式処理を融合させうるもので、数式処理に革新的進歩をもたらす可能性を十分に秘めている。 2.しかし、近似代数の算法開発は多年を要する課題で、今後、精力的に取り組む必要がある。特に、近似代数の数学的理論の建設が当面の急務である。 3.また、近似代数を実現するシステムについても、計算の過程で桁落ちをモニタできる機能をもった浮動小数演算体系を開発する必要がある。
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