研究課題/領域番号 |
03558010
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 幸彦 大阪大学, 医学部, 教授 (70028520)
|
研究分担者 |
江藤 恭司 (近藤 恭司) (財)八木記念パーク, 実験動物研究所, 所長 (60023363)
松田 浩珍 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80145820)
西村 正彦 浜松医科大学, 助教授 (20073661)
春日井 務 大阪大学, 医学部, 助手 (80214310)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
|
配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
1993年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1992年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1991年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
|
キーワード | マスト細胞 / 好塩基球 / C-Kit レセプター / IgEレセプター / アレルギー / マスト細胞欠損ラット / 消化管寄生虫 / 即時型アレルギー / ベージュラット / c-kitレセプター / stem cell factor / 突然変異ラット / 即時型アレルギ- / c-kit遺伝子 / レセプタ-・タイロシンカイネ-ス |
研究概要 |
アレルギー性疾患の蕭条が発現するためにはIgEとマスト細胞あるいは好塩基球の存在が必須である。本研究はマスト細胞/好塩基球がエフェクター細胞として働く即時型アレルギー反応の解析に有用なミュータントラットを開発することを目的として行ったもので、以下のような成果を得た。1)マスト細胞を欠損するWs/Wsラットを発見し、その原因遺伝子を同定した。ラットのWs遺伝子座はc-kit癌原遺伝子をコードしており、Ws突然変異子では12個の塩基が欠失するため、チロシンキナーゼ活性が大幅に低下する。Ws突然変異遺伝子はBN系ラットで最初に発見されたのであるが、BN系ラットではホモのWs/Wsを得ることができない。そこでWs突然変異遺伝子をいくつかの近交系ラットに導入することにより、ホモ個体が得られる近交系をさがした。DA系ではホモ固体が得られることが分かり、次にはDA-Ws/+ラットをSPF化することが取りかかった。SPF化は日本エスエルシー(株)の協力のもとに進行中である。一方クロズドコロニーで生産したWs/Wsラットと+/+ラットを比較することでWs/Wsラットの特性についてしらべ、即時型アレルギーの研究にWs/Wsラットがきわめて有用であることを示した。2)Ws/Wsラットに消化管寄生虫Nippostrongyluns brasiliensis(NB)を感染させると、結合組織に存在するマスト細胞はまったく増加せず、消化器粘膜のマスト細胞がずかに出現するのに対して好塩基球は感染前の50倍以上になり、正常(+/+)ラットとの間で有意差がない。したがって、NB感染+/+ラットは[マスト細胞(+)、好塩基球(+)]、NB感染Ws/Wsラットは[マスト細胞(-)、好塩基球(+)]、無処置+/+ラットは[マスト細胞(+)、好塩基球(-)]、無処置Ws/Wsラットは[マスト細胞(-)、好塩基球(-)]の動物モデルとして使用できる可能性がある。3)西村によって発見されたDA-bg/bgラットがマスト細胞の機能をしらべるのに有用であることを示した。
|