• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ヘーゲル社会倫理の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610020
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 倫理学
研究機関東北大学

研究代表者

上妻 精  東北大学, 文学部, 教授 (10054298)

研究期間 (年度) 1991 – 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードフランス革命 / テュービンゲン神学 / カント要請論 / ヴュルテンベルク公園 / 神に近づく / 信仰と知 / 実践理性の自由 / 歴史的理性 / 思弁的理性 / 実践理性 / 啓蒙運動 / 精神 / ドイツ観念論の最古の体系プログラム / ドイツ憲法論 / 国家と宗教 / ヴュルテンベルク公国 / 理性の神話 / シュヴ-ベン共和国 / テュ-ビンゲン契約
研究概要

この2年間の研修期間においてイエナ初期に至るヘーゲルの思想発展を社会倫理という観点から遡ってみた訳であるが、これを通して総括的な成果を挙げるとすれば、下記の通りとなろう。
ヘーゲルの思索においては、政治と宗教と哲学とが三位一体となしており、そして社会倫理はこれらが交錯する場面に位置するということである。ここに政治とはフランス革命であり、領邦国家体制に呻吟する祖国ドイツの運命である。宗教とはテュービンゲン正統派との対決であり、啓蒙の宗教批判との対決である。哲学とはカントに始まるドイツ哲学運動である。ヘーゲルは、ドイツに生きる己れの実存の問題として、これらが投げかける問題を引き受けつつ、その上にドイツの再生が可能となる思想の描策を目指したのである。私はこうした、初期ヘーゲルの思索を貫く問題意識を、ヘーゲル自身の表現において、「神に近づくとはいかなる謂いか」という彼のシェリング宛書簡のいちに見い出す。なぜならば、この問いは、差し当っては宗教的、神学的問いであるが、問いに「実践理性の要請の満足」と答えられるとき、これは同時に哲学的な問いと言ってよく、さらにこれが、具体的に地上に神の国を実現させることを意味するかぎりで、この問いは極めて政治的な問題意識に支えられたものと言えるからである。別言すれば、この問いのうちには、信仰と知、有限性と無限性、自由と運命の問題など、初期ヘーゲルが自己の思想形成の上に主題とせざるを得なかった一切の問いが含まれているのである。そして、これらの対立が近代的生の分裂と意味するかぎりで、これを克服する立場をもとめることで、ヘーゲルは、カント、フィヒラ的な実践理性の自由の立場から、自己の歴史的性の立場を発見したと言ってよいのである。

報告書

(3件)
  • 1992 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ概念論と実在哲学" 理想. 650号. 14-28 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上妻 精: "ヘーゲルとショーペンハウアー" ショーペンハウアー研究(日本ショーペンハウアー協会機関誌). 創刊号. 83-105 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上妻 精: "運命への畏敬-ヘーゲルにおける生と死" 『人間、その生と死』東北大学教養学部附属大学教育開放センター発行. 80-94 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ概念論における信仰と知" 日本論理学会論集20集『信と知』. (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上妻 精: "ニヒリスムス萌芽" ドイツ概念論講座のうち(ミラルヴァ書房).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Kozuma,: "Der deutschen Idealismus und die Existenz Philosophie" Riso.Nr.650. 14-28 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Kozuma,: "Hegel und Schopenhauer" Schopenhauer-Studien. Nr.1. 83-105 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T.Kozuma,: "Ehrfurcht vor dem Schicksal-Leben und Tod bei Hegel" Leben und Tod beim Menschen. Hrsg.v.Tohoku-Universitat.80-94 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1992 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ観念論と実在哲学" 理想. 650号. 14-28 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "ヘーゲルとショーペンハウアー" ショーペンハウアー研究(ショーぺンハウアー協会機関誌). 創刊号. 83-105 (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "運命への畏敬-ヘーゲルにおける生と死" 『人間.その生と死』 (東北大学教育学部付属大学教育開放センター発行). 80-94 (1992)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ勧念論における信仰と知" 『信と知』(日本倫理学会論集). 20集. (1993)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "ニヒリスムスの萌芽" ドイツ観念論講座のうちミネルヴア書房.

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "ヘ-ゲルとショ-ペンハウア-" ショ-ペンハウア-研究(日本ショ-ペンハウア-学会機関誌). (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 上妻 精: "ドイツ観念論とニヒリズム" ドイツ観念論講座(ミネルヴァ書房刊)のうち. (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi