• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

初期ネ-デルラント絵画における天体の表現の研究

研究課題

研究課題/領域番号 03610025
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 美術史
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

藤田 治彦  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00173435)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードキリスト磔刑図 / 太陽の絵画表現 / 月の絵画表現 / 天体の表現 / 聖母像 / 聖母子像 / 初期ネ-デルラント絵画 / ふたつの写実主義
研究概要

キリスト磔刑図に描かれた太陽と月に関する資料の収集と分析を中心に研究を開発した。十字架上のキリストの右手に太陽、左手には月が描かれるのが図像上。伝統だが、多くの例外が存在することを確認した。
西洋絵画における写実的な天体表現への移行は17世紀に行なわれるが、その先駆として14世紀末から15世紀初頭にかけての初期ネ-デルラント絵画における試行がある。本研究では、ヴァン・エイクを頂点とするその試みの革新性を確認すると同時に、その試みは、上述のキリスト磔刑図における天体表現の伝統を保存しながら行なわれていることも確認した。
キリスト磔刑図における天体の表現の研究結果を基盤として、本年度後半には聖母像および聖母子像における天体の表現の研究へと移行した。それらの聖母にかかわる図像にも太陽と月が描かれるものがある。ここでも、キリスト磔刑図における革新ほど明確ではないが、14世紀末から15世紀初頭にかけての初期ネ-デルラント絵画における試行は、美術史的観点から興味深く、かつ重要なものであることが確認された。
キリスト磔刑図と聖母像あるいは聖母子像に描かれる天体の、初期ネ-デルラント絵画における革新は、ふたつの写実主義の同時実現への志向の結果と解釈できるであろう。つまり、ロゴスの世界の写実、聖書の記述をいかに忠実に描くかという写実と、現象の世界の写実とを併存させようという試みをヴァン・エイク、ロベルト・カンピンらの初期ネ-デルラント絵画の画家たちは行なっていたのである。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 藤田 治彦: "クロ-ドグラスの映像" 映像学. 44. 77-92 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 藤田 治彦: "磔刑図の天体ーフランドル絵画を中心にー" 京都工芸繊維大学工芸学部研究報告「人文」. 40. 43-63 (1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

URL: 

公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi