研究課題/領域番号 |
03610028
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
建畠 晢 多摩美術大学, 芸術学科, 助教授 (50125217)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | オブジェ / ダダイスム / シュルレアリスム / ポップ・アート / キュビスム / タダイスム / ポップア-ト / ミニマリズム |
研究概要 |
1.まず平成3年度からの継続として資料収集を行なった。主なものはイタリア未来派関係の機関誌、海外の美術館での関連展覧会のカタログ、関連美術史論文、文学者と美術家との交流関係資料である。 2.ついで国内外の研究者との情報交換を行ない、また共同で収集した資料の分析、検討を試みた。また美術のみならず前衛詩等の運動との関わりを明らかにするために、文学研究者との検討のための会合も持った。 3.以上の作業から明らかになった問題は下記のようなものである。 (1)当初はダダイスム・シュルレアリスム、ポップ・アートを中心に研究を進めたが、象徴詩、キュビスムなどの前史の研究が極めて重要な位置を占めることが改めて認識され、対象領域を拡大した。 (2)オブジェが20世紀における都市問題、すなわち日常的な製品の流通消費のシステムに深く関係しており、また産業技術とも関わっているために、社会的な側面からの検討が重要な意味を持つことが認識された。 (3)20世紀の前衛美術運動と大衆化社会における広告、デザインの状況とが、オブジェの視点から密接に結び付いていることが明らかになり、(2)の問題と合せて、従来の美術史の一般的な視点のみではなく、より広範な史的検対を行なう必要があることが認識された。 (4)昨今のいわゆる脱工業化社会において、コンピュータ等を持いたニュー・メディアにもオブジェの概念は延長されており、美術とテクノロジーとの結合という視点からの再考察、およびポストモダニズムの思潮からの捉え直しの重要性が認識された。 なお研究発表は裏面の図書に一部を記載したが、平成5年度の大学紀要と、6年度に刊行予定の研究書に総合的な視点の論文を試みることとする。
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