研究課題/領域番号 |
03610108
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
山本 えり子 北海道教育大学, 教育学部岩見沢校, 助教授 (00231671)
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研究分担者 |
久世 淳子 北海道教育大学, 教育学部岩見沢校, 講師 (50221221)
加藤 喜久子 北海道情報大学, 経営情報学部, 講師 (20224496)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 高齢者 / 地域社会 / 地域福祉 / 欲求 / ライフサイクル / 適応度 / 生活満足度 / 文化活動 / 社会教育 / 福祉 / 主体的選択 / 低所得層 / 社会関係 / ボランティア / 高齢者福祉 / 高齢者教育 / 生涯学習 / 社会福祉 / 老人クラブ |
研究概要 |
郵送調査、機関調査、社会的組織のリーダー調査などをとうして、社会学、社会教育学、心理学の各見地から高齢者の地域生活に関する興味深い分析が得られた。 社会学の見地からみると、子世代の地域からの流出は高齢者世帯を発生させるが、その傾向は自営業層よりもブルーカラー、ホワイトカラー層において顕著である。しかも三笠のように炭住の人間関係や地域にねざした福祉が高齢者の定住志向の決定要因になるなど地域特有の条件も重要である。しかし岩見沢の場合にみられるように高齢者と一口にいってもそのライフサイクルによって子世代との関わり方は異なり、福祉施設への要求も多様であるが、潜在的なニーズは確実に増大している。社会教育の見地から分析した結果によれば、社会的諸活動への参加階層に大きな違いがみられる。すなわち、三笠においては低所得層、女性などが、高所得者や社会的地位が高い階層よりもむしろ社会的活動に積極的に参加している。三笠の場合、持ち家率が低い。高齢者が炭住を改造した公営住宅に愛着をもって住み続けていることと所得が低いことがその要因になっている。こうした住宅では炭鉱時代の付き合いが続いており、老人クラブや市のボランティア活動の拠点ともなっている。これにたいし、岩見沢の場合はそもそも退職教員公務員層が多く、学歴、収入ともに階層が高い。こうした層が老人クラブなどの社会的活動におけるリーダーとしての役割をはたし、レベルの高い文化活動を維持する戦力となっている。心理学的見地からの分析によれば欲求のレベルや内容に地域差、階層差があるのはもちろんだが上記のような社会的活動や地域福祉の在り方の違いが欲求の現れ方と有機的に関連していることが明確となった。たとえば老人福祉センターの利用度が高い高齢者の自己実現の欲求が高く、生活満足度や適応度が高いといえるのである。
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