研究概要 |
この研究は、大学公開講座の受講者が、学習成果としてどのような知識・技能の習得や態度の変容を行い、またそれをもとにどのような新しい活動を産出したかについて追跡的な調査を実施することを通じて、ひとつの学習が新たな学習を生み出すメカニズムを探り、成人の学習行動の展開過程についての理解を深めることを目的とするものである。今年度は研究第一年度として、1)関連先行研究資料の収集・分析をもとにした研究全体的枠組みの構策、2)徳島大学大学開放実践センタ-の公開講座受講者に関する諸デ-タの整理・分析、3)公開講座終了後2〜6ヶ月時点における受講者の関連学習活動の状況の把握と、受講者個人に関する基礎的情報の収集を目的とした受講者対象の第1回パネル調査(平成4年1〜2月)を実施した。これらの結果についての詳細な分析は現在進行中であるが、これまでのところつぎのような知見が得られている。 1.公開講座受講者の2割弱は毎年何らかの講座を受講している“固定客"、3割弱がときどか受講している“準固定客"である。 2.“固定客"は高年層の男性や無職,“準固定客"は中年女性や主婦に、またそれ以外の“非固定客"は若い年齢層に多い。 3.“固定客"は複数の科目を受講している。 4.講座への満足度は“固定客"で最も高い。 5.“学ぶことの楽しさ"“向上するよろこび"が“固定客"の受講満足度を支えている。
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