研究概要 |
1.本におけるコメニウス関係文献のリストアップを行い、「コメニウス関係文献目録」として『日本のコメニウス」第2号(日本コメニウス研究会、1992年8月刊)に発表した。 2.全国の教育系学部を有する国立大学を中心に『世界図絵』を含むコメニウス関係文献の所蔵状況を、質問紙の郵送及び図書館訪問によって調査し、これを『コメニウス関係文献所蔵目録」(B5版54ページ)にまとめた。 3.コメニウスの教科書についての考えを検討し、「コメニウスの教科書における精選の原理」と題して、日本教育学会第51回大会(1992年8月、北海道大学)において発表した。 4.上記の発表原稿を加筆修正し、科学研究費補助金による研究成果報告書(総合研究A,研究代表者太田光一、課題番号03301034)に収録した。 5.『世界図絵』を『開かれた言語の扉』や『事物の扉』などコメニウスの他の教科書と比較検討した。その結果コメニウスの教科書には二つの系譜のあることが明らかになった。そして今年度は特に『開かれた言語の扉の前庭」および『ラテン語の前庭の補逸」の二つの教科書を中心に分析し、言語教科書として執筆されたものでは事物の配列や精選についての配慮が乏しいことを明らかにした。この二つの教科書に関する研究は、日本で初めて行われた。
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