研究課題/領域番号 |
03610151
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
岩鼻 通明 山形大学, 教養部, 助教授 (20167282)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 女人禁制 / 女人結界 / 旅日記 / 道中記 / 山岳信仰 / 霊山登拝 / 修験道 / 社寺参詣 |
研究概要 |
女人禁制に関する体系的研究は、従来不十分であったため、まず、参考文献の収集とリストアップを行い、36点にのぼる参考文献リストを作成して、過去の研究の整理を行った。 次に、全国各地の図書館や公文書館などで入手した旅日記類史料の合計数百点の中から、女性の手によるもの、ないし女性を同伴したものをセレクトする作業を行い、その結果として18点の旅日記を抽出することができた。 そして、その中で翻刻されていない山形大学所蔵の2点の旅日記については研究成果報告書の中で翻刻および解説を加えた。 女性が関係した旅日記を分析した結果として、女人禁制に関わる記載は予想以上に少なかった。その理由としては、旅日記の表現自体が簡略な場合が多いこと、女人禁制の聖地にはあえて近づかなかったであろうことなどが考えられる。 しかし、分析の結果として、たとえば富士山への女人登山についての記載が2点とも旅日記に見出され、女人登山を解禁した60年に一度の庚申の年(2点とも幕末の万延元年の事例)の具体的登山の実態を知ることのできる貴重な史料であることが判明した。 また、女人禁制の具体的事例の解明のために、長野県戸隠山においてフィールドワーフを実施し、女人禁制関係地点を地形図上に図示することができた。 2年間の調査研究では、十分に解明できなかった部分も残るため、今後も、近世の旅日記・紀行文・各所図会・往来物などの収集と解読を通して、女人禁制の実態の解明に迫る努力を続けていきたい。
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