研究課題/領域番号 |
03610171
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下向井 龍彦 広島大学, 文学部, 助手 (60171005)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 別当(べっとう) / 所宛(ところあて) / 別当(ベっとう) |
研究概要 |
平安時代の中央国家機構に関する研究が進展しつつあるが、そこで強調されてきたのは、蔵人所による新設内廷諸官司(「所」)の統合と自己完結化、律令制的官司統属方式(太政官一省一寮・司・職)の解体と太政官系列の諸官司の自立化、特定氏族による官司請負=「家業」化などについてであり、これらの現象が、律令国家の中世国家への変容の指標として積極的に意義づけられてきた。しかし、個別官司はいかに自立性を高めようとも、宮廷で行なわれる政務・行事・儀式の執行に参加する一部局であるところにその存立根拠がある。したがって宮廷中枢は、これら蔵人所系列と太政官系列の独立諸官司を、政務・行事・儀式に有機的に結合する新たな統属方式をつくりあげていたと想定されなければならない。そこで注目されるのが、公卿・殿上人・弁官局官人・蔵人を、「所宛」(ところあて)によって太政官系列諸官司と蔵人所系列諸所の「別当」に任命する「諸司所々別当」制である。 本研究によって、律令制的官司統属方式である省一寮一司にかわって一〇世紀に登場した新たな官司統属方式である「諸司所々別当制」の実態と特質にせまることができた。「研究成果報告書」では、研究成果の概要を紹介するにとどめ、より詳細な研究成果は、いずれ論文として公表するつもりである。 また「諸司所々別当」制の展開と密接に開連する院政期の「記録所」についての基礎的研究を、論文「天永の記録所について」(『史学研究』199号 1993年2月)として公表した。この論文も「研究成果報告書」のなかに含めて提出する。
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