研究課題/領域番号 |
03610206
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
|
研究機関 | 聖徳学園岐阜教育大学 |
研究代表者 |
田中 きく代 聖徳学園岐阜教育大学, 外国語学部, 助教授 (80207084)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 移民貿易 / 人口移動 / 移民ネットワーク / 移民エージェント / パケット便 / クリッパー船 / 移民ランナー / リバプール / 移民ネットワ-ク / 移民エ-ジェント / 鉄道ネットワ-ク / ニュ-ヨ-ク / ボストン / リヴァプ-ル |
研究概要 |
研究者は、世界的規模の移民史考察のフレームワーク、人口移動・労働力移動のフレームワークを提示する第1段階として、北大西洋18・19世紀に存在した移民貿易業界のネットワークの実態を検証しようとしている。単に移民を押し出すプッシュ側の移出要因と、移民受け入れのプル側の要因の考察に終始する均衡論方法だけでは、移出と移入の相互の関係が解明できず、中間に存在するメディアである移民業界の考察が必須だと考えたからである。また、、世界的規模の移民考察のフレームワークというとき、様々な人口移動・労働力移動のキーになるのは、様々な個々の研究を括ることのできる移民業界の存在ではないかといえるからでもある。こうした見地から、昨年度は、船会社の文献研究と移民史の学説整理をしたが、本年度は、そうした研究をさらに重ねたほか、アメリカとイギリスの移民関連法についてもさらに検証を加えた。また、「移民書簡」「移民文学」などにも研究を進めた。さらに、ドイツからの移出についても、リバプールからの移民を補完するために、移民形態を研究し始めた。今後は、スカンディナビアからの移出についても同様に、考察する必要があるので、来年度はそれに終始するつもりである。 平成3年度・4年度の研究成果は、今後、数編の論文にまとめて順次公表するつもりであるが、今回はその第1として、「大西洋航路の開設と移民業界について」まとめた論文を、この研究報告書に添付する。1817年に始まったパケット便により定期航路の開設に意味を分析し、移民貿易の実態を浮き彫りにしようとするものであるが、航行途上の問題だけでなく、大西洋両岸での船会社、船長、移民代理業者、旅館業、鉄道業、金融業などによるネットワークの存在を解明しようとするものである。
|